建築家 安藤忠雄

安藤忠雄 あんどうただお


PHOTO:五十風一晴

1941年大阪生まれ。
独学で建築を学び、69年に安藤忠雄建築研究所を設立。
代表作に「光の教会」「アルマーニ・テアトロ」「フォートワース現代美術館」「地中美術館」など。
79年「住吉の長屋」で日本建築学会賞、93年 日本芸術院賞、95年 朝日賞、02年 AIAゴールドメダル、京都賞、05年 UIA(国際建築家連合)ゴールドメダル、ほか受賞多数。
阪神・淡路震災復興支援10年委員会の実行委員長として、被災地の復興に尽力し「瀬戸内オリーブ基金」を2000年に設立、植樹活動を続けている。
著書に『建築を語る』『連戦連敗』(いずれも東京大学出版会)などがある。

 

メッセージ

...かつて、ポール・ヴァレリイとポール・クローデルが対話し、「世界中の民族の中で滅びては困る民族がいるとしたらそれは日本人だ」と言ったことがあります。私はそれを、日本人の固有の美意識を滅ぼしてはならないということだと解釈しています。美意識には、たとえば責任感とか正義感といったものも含まれます。なかでも人や自然に対する礼儀、生きていくことへの礼儀。あるいは、ものをしっかりと見つめることもそうでしょう。

ところが、1960年代に高度成長期を迎えると、お金が儲かればいい、お金があれば豊かになれるという考えが主流になり、かつての美意識はどこかに消えてしまった。東京の街を見ればわかります。美しさを求めた景観ではありません。経済効率を優先した結果ですよ。
かつてイサムノグチさんとお会いした時、「ニッポンの美意識を取り戻さなければならない」と言われていました。
私と三宅一生さんとのつきあいは、35年くらいになるでしょうか。
「デザインという美意識の中に賭けている」と言っていた田中一光さんと3人で、いつかデザイン・ミュージアムを作ろうと話をしていた、そういった経験が、今に繋がっているという思いもあります。

日本が持つべき顔とは、美意識のある国としての顔ではないか。これを実現するために21_21 DESIGN SIGHTという考え方が必要だと思っています。

...経済効率一辺倒で無計画につくられた日本の都市へのアンチテーゼとして。もっと都市を美しくという意識をもって、私はこの21_21 DESIGN SIGHTに参加しています。

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