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安藤忠雄 2006年の現場 悪戦苦闘
安藤忠雄が設計した21_21 DESIGN SIGHTの建築と、そのプロセスを展示。会場には模型などの他、実際に使用した鉄筋の一部が再現され、建物完成後は見ることのできない精緻な職人の技を見せた。ギャラリー1では連日ウィリアム・フォーサイス演出のパフォーマンスも行われ、空間に生命感と躍動感をもたらした。
会期 2007年3月30日(金)- 4月18日(日)
メッセージ
...かつて、ポール・ヴァレリイとポール・クローデルが対話し、「世界中の民族の中で滅びては困る民族がいるとしたらそれは日本人だ」と言ったことがあります。私はそれを、日本人の固有の美意識を滅ぼしてはならないということだと解釈しています。美意識には、たとえば責任感とか正義感といったものも含まれます。なかでも人や自然に対する礼儀、生きていくことへの礼儀。あるいは、ものをしっかりと見つめることもそうでしょう。
ところが、1960年代に高度成長期を迎えると、お金が儲かればいい、お金があれば豊かになれるという考えが主流になり、かつての美意識はどこかに消えてしまった。東京の街を見ればわかります。美しさを求めた景観ではありません。経済効率を優先した結果ですよ。
かつてイサムノグチさんとお会いした時、「ニッポンの美意識を取り戻さなければならない」と言われていました。
私と三宅一生さんとのつきあいは、35年くらいになるでしょうか。「デザインという美意識の中に賭けている」と言っていた田中一光さんと3人で、いつかデザイン・ミュージアムを作ろうと話をしていた、そういった経験が、今に繋がっているという思いもあります。
日本が持つべき顔とは、美意識のある国としての顔ではないか。これを実現するために21_21 DESIGN SIGHTという考え方が必要だと思っています。
...経済効率一辺倒で無計画につくられた日本の都市へのアンチテーゼとして。もっと都市を美しくという意識をもって、私はこの21_21 DESIGN SIGHTに参加しています。
安藤忠雄
開催概要
- 主催
- 21_21 DESIGN SIGHT、財団法人 三宅一生デザイン文化財団
- 共催
- 日本テレビ放送網
- 特別協力
- 安藤忠雄建築展実行委員会
- 協賛
- 三井不動産株式会社
- 協力
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社、株式会社 ケンウッド
- グラフィックデザイン
- 佐藤 卓
関連展示
ウィリアム・フォーサイスによるインスタレーション「アディティヴ・インヴァース」(4月7日- 18日)
- 音楽
- トム・ヴィレム
- 映像
- フィリップ・ブッスマン
- プロデュース
- ユリアン・ガブリエル・リヒター
- パフォーマンス
- アレッシオ・シルヴェストリン