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2018年9月25日、企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」の会場で小山田圭吾(Cornelius)、堀江博久、大野由美子、あらきゆうこがライブ演奏を行う「LIVE AUDIO ARCHITECTURE × 8」を開催しました。

本展のために、展覧会ディレクターの中村勇吾が作詞、小山田が作曲を手がけた新曲『AUDIO ARCHITECTURE』。展覧会では、幅24メートルの大型スクリーンに、8組の気鋭の作家が、それぞれに楽曲を解釈して制作した映像が繰り返し流れています。このイベントでは同じスクリーンの上で、楽曲を8つの映像に合わせて繰り返し演奏することを試みました。

演奏するごとに微妙に違うこの曲を楽しんでほしい、という小山田の後、いよいよ演奏開始です。
楽曲の構造に着目した映像作品に、歌声や楽器の音色が重なっていくと、より立体的な音の構築物(アーキテクチャ)が見えてくるようです。さらに、さまざまな角度から楽曲を捉えた映像作品とともに、同じ楽曲の印象も変化していくように感じられました。

音楽、映像と、Wonderwall 片山正通によるダイナミックな空間が一体となり、いつもの会場とはまた違った"AUDIO ARCHITCTURE"を味わう特別な時間となりました。

Photo: Atsushi Nakamichi (Nacása & Partners Inc.)

ギャラリー3では、2018年9月9日まで「ヒロシマ・アピールズ展」を開催しています。

原爆の記憶を絶やすことなく、平和を希求する想いを広く伝えようと、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)とヒロシマ平和創造基金、広島国際文化財団が行っている「ヒロシマ・アピールズ」。純粋に中立な立場から「ヒロシマの心」を訴えるポスターを毎年一名のグラフィックデザイナーが制作し、国内外に頒布する活動を続けています。

本展では、その第1回となる1983年に制作された亀倉雄策(1915-1997)の『燃え落ちる蝶』より今年度の服部一成(1964-)『疑問符、2018』まで、全21作品を紹介。さらに、13歳のときに被爆し、平和への願いを込めた100枚のポスター制作に挑んだ広島出身のデザイナー、片岡 脩(しう)(1932-1997)の作品も特別展示しています。「生きて、子どもたちへ、さらに世代へと伝えたいことがある」と記していた片岡は、65歳で他界するまで、72点のポスターを制作しました。

デザインによって伝えられる鮮明なメッセージ。ヒロシマの記憶と未来への願いについて、多くの方々と考える機会となれば幸いです。

2013年に21_21 DESIGN SIGHTで開催した企画展「デザインあ展」を発展させ、さらにテーマを掘り下げた企画展「デザインあ展 in TOKYO」が、2018年7月19日より日本科学未来館にて開催されています。

21_21 DESIGN SIGHT館長でもある佐藤 卓をはじめ、21_21 DESIGN SIGHTにて現在開催中の企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」で展覧会ディレクターを務める中村勇吾、音楽を担当した小山田圭吾が携わる2つの展覧会を、どうぞあわせてお楽しみください。

日本科学未来館 企画展「デザインあ展 in TOKYO」

2018年7月19日(木)- 10月18日(木)

優れたデザインには、人と人、人とモノをよりよくつなぐ工夫があります。企画展「デザインあ展 in TOKYO」は、身のまわりに意識を向け(みる)、どのような問題があるかを探り出し(考える)、よりよい状況をうみだす(つくる)という一連の思考力と感性、「デザインマインド」を、見て、体験できる展覧会です。
2013年の21_21 DESIGN SIGHT企画展「デザインあ展」から作品を新たにし、身のまわりにあるモノ・コトから概念までテーマを掘り下げました。未来を担うこどもたちに、「みる」「考える」「つくる」ことの豊かさを体感してもらいたいと願っています。

会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
主催:日本科学未来館、NHK、NHKエデュケーショナル、NHKプロモーション

*「デザインあ展 in TOKYO」の入場券(半券も可)のご提示で、「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」の入場料が1枚につき2名まで100円引きになります
*「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」の入場券(半券も可)または会場パンフレットのご提示で、「デザインあ展 in TOKYO」の入場料が1枚につき5名まで100円引きになります
*いずれも1枚につき1回限り有効、他の割引との併用不可

>>「デザインあ展 in TOKYO」ウェブサイト

2018年7月28日、企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」に関連して、「参加作家によるリレー・トーク 第1回」を開催しました。第1回は、本展で新作「airflow」を発表した水尻自子と、「JIDO-RHYTHM」を共同制作する辻川幸一郎(GLASSLOFT)、馬場鑑平(バスキュール)、渡邊敬之(北千住デザイン)が登壇しました。

はじめに、辻川が過去に制作したコーネリアスのミュージック・ビデオやこれまでに携わった作品を紹介しました。幻覚や白昼夢をテーマに制作を続けているという辻川は、本展展示作品の自撮りミュージック・ビデオアプリ「JIDO-RHYTHM」でもアプリから流れる音楽を聴いている人が幻覚を見ているような感覚を体験できる作品を目指したと語りました。
渡邊は、プログラミングを用いてリアルタイムにビジュアルをつくり出すAR〈Augmented Reality(拡張現実)〉などの技術を駆使し、Web、アプリ、VJ、インスタレーションを制作しています。今回の「JIDO-RHYTHM」制作では、3Dオブジェクトが音に合わせてリアルタイムに変形するプログラミングを組み、多彩な表現を生み出しました。

馬場は、プロデューサーとして本作品に携わりました。この共同制作のチームが生まれたきっかけは、ライフスタイルマガジン「HILLS LIFE」にて、クリエイターたちの創作に迫る連載の第1回で馬場が辻川に取材をしたことだと言います。

水尻は、過去に制作した3つの短編動画を紹介しながら、「感触的な動きを感覚的に表現すること」について解説しました。アイデアスケッチやビデオコンテから、どのようにアイデアが生まれ、どのような制作プロセスを辿るのか説明し、動きの連鎖によって生まれる物語性よりも、「感触」を1番に伝えたいと水尻は語りました。

作家それぞれの多様な活動とともに、アプローチの仕方や制作プロセスが浮かび上がる、貴重な機会となりました。

こんにちは、本展のテキスト執筆を担当しましたドミニク・チェンと申します。中村勇吾さんがディレクションを務め、コーネリアスの新しい楽曲に対して9組の映像作家が作品を新規に制作するというアイデアを聞いた瞬間にワクワクしてしまい、急な依頼だったにも関わらずすぐに引き受けました。リアルタイムで作家の方々の作品制作が進行する中、オンラインでデータを共有して頂き、各作家のコンセプトを汲み取りながら作品の紹介文、そして展示全体のコンセプト文を執筆しました。それらの文章は、会場で配布しているリーフレットに掲載され、一部会場内でも掲示されていますが、本展に関しての考えはそこに全て込めてあるので、ここでは展示が始まってから考えさせられたことについて書いてみます。

Photo: Atsushi Nakamichi (Nacása & Partners Inc.)

本展の面白いところは、共通のお題に対するそれぞれの作家の応答によって構成されているというところでしょう。通常の美術展やデザイン展示では、新作ももちろんありますが、ほとんどの場合は旧作やその再構成がほとんどを占めています。その意味では、今回はメイン楽曲から映像まで全てが新作という点でも画期的ですが、この方式は日本文化に脈々と流れる「連」の系譜を喚起します。連とは共同制作のために、通常の社会的なヒエラルキーを越えた人々の集いを指します。最も有名なのは松尾芭蕉が弟子たちと行った俳諧の「連句」でしょう。発句を起点にして、一定のルールを守りながら、次々に連想が繋がっていき、挙句に収斂される形式ですが、これは人々が集まった場そのものが協働制作をしているようなかたちを取ります。前の人の句に続けることを付句と呼びますが、互いに付句をする時にはお互いの創作の成分が相互に浸透しあうわけです。

本展は連句のように、一人から次の人へバトンを渡す方式ではなく、コーネリアスの楽曲がお題になって映像作家が応答する、いわば大喜利方式を採っています。制作過程も、連句のようにすべてがリアルタイムで互いに開示されていたわけではなく、それぞれが自分の表現を突き詰めていった結果、どれも互いに視覚的なテーマが重複し合わない作品に仕上がったのは、ひとえに中村さんのディレクションの妙といえるでしょう。

その意味では本展の構造=アーキテクチャそのものがまた、中村勇吾の作品だと言えるでしょう。私も大学の学生との研究開発で使用している、中村勇吾さんが開発に関わるFRAMEDというデジタルディスプレイがあります。それはインターネットを介して誰でも自分の作品を配信したり、他者の作品を表示したりして、アニメーションや静止画、インタラクティブな作品を楽しむためのインテリア機器なのですが、今回の展示構成のなかで8つの小部屋で映像作品が分かれている様子はまるでFRAMEDの理念が会場で顕在化しているようにも見えました。だから、本展もFRAMEDも、中村勇吾という、自身も卓越した表現者でありながら他の優れた表現者への好奇心が溢れ出てしまう「数寄者」でもある人が、「こんな光景を見てみたい!」という欲望を実現するために作り出した「器」であると言えるでしょう。

本展を見て、おそらく多くの表現者が同じ様な欲望を喚起されたのではないでしょうか。アーキテクチャという用語は、私が専門とする情報社会学のなかではインターネットを始め、情報がどのように生成され流通するかを規定する技術基盤を意味する概念です。インターネットのもたらした書き換え可能(Read/Write)な文化的なリアリティが宿っている本展の構造は、それ自体が参照され、違うかたちに継承されていくフォーマットとして見て取ることができるでしょう。

ドミニク・チェン

どみにく・ちぇん:
博士(学際情報学)。2017年4月より早稲田大学文学学術院・准教授。メディアアートセンター NTT InterCommunication Center[ICC] 研究員を経て、NPOコモンスフィア(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)理事/株式会社ディヴィデュアル共同創業者。2008年 IPA未踏IT人材育成プログラム・スーパークリエイター認定。企画開発したアプリ「Picsee」と「Syncle」がそれぞれApple Best of 2015と2016を受賞。NHK NEWSWEB 第四期ネットナビゲーター(2015年4月〜2016年3月)。2016年、2017年度グッドデザイン賞・審査員「技術と情報」「社会基盤の進化」フォーカスイシューディレクター。著書に『謎床:思考が発酵する編集術』(晶文社、松岡正剛との共著)など多数。訳書に『ウェルビーイングの設計論:人がよりよく生きるための情報技術』(BNN新社)、『シンギュラリティ:人工知能から超知能まで』(NTT出版)。

2018年6月29日、いよいよ企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」が開幕となります。

私たちが普段なにげなく親しんでいる音楽は、音色や音域、音量、リズムといった要素によって緻密にデザインされた構築物(アーキテクチャ)であると言えます。しかし日常の中でその成り立ちや構造について特別に意識する機会は少ないのではないでしょうか。

本展では、ウェブ、インターフェース、映像の分野で活躍する中村勇吾を展覧会ディレクターに迎え、ひとつの「音楽建築空間」の構築を試みます。ミュージシャンの小山田圭吾(Cornelius)が書き下ろした新曲『AUDIO ARCHITECTURE』を、気鋭の作家たちがそれぞれに解釈した映像作品を制作。展覧会のグラフィックデザインは、北山雅和(Help!)が手掛けました。

Wonderwall 片山正通がデザインしたダイナミックな空間、音楽、映像が一体となった会場で、音楽への新鮮な視点を発見してください。

Photo: Atsushi Nakamichi (Nacása & Partners Inc.)

ギャラリー3では2018年6月2日より「TRAVEL TRAVEL(LER)」が開催されています。
フランスのショコラティエ パトリック・ロジェは芸術家としての顔も持ちます。パトリック・ロジェ・スカルプチュアが主催する本展は、彼の日本での初めての展覧会です。TRAVELS TRAVEL(LER) には「空想しながら鑑賞する」という意味が込められています。

ロジェの作品の世界と鑑賞者をつなぎ、対話を促すリナ・ゴットメによる展示デザインも本展のみどころのひとつです。ゴットメは東京国立博物館で開催された『フランス人間国宝展』での空間演出やエストニア国立博物館の設計で注目されている建築家です。

研ぎ澄まされた感性と創造性への情熱を投影した彫刻作品をお楽しみください。

Photo: Nacása & Partners Inc.

2018年5月26日、企画展「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」に関連して、トーク「現代写真と現代美術 22世紀美術へ向けて」を開催しました。トークには、本展ディレクターの伊藤俊治と美術評論家の椹木野衣が登壇しました。

はじめに、伊藤が展覧会の主旨を解説しつつ、参加作家を紹介しました。ウィリアム・クラインの写真について、「作品ではなく写真の概念を示している、だから常に新しいものに見える」と語る伊藤。本展には21世紀と22世紀の対比がひとつの軸として埋め込まれていると述べ、未来の写真を浮かび上がらせ、その概念を示すことを狙ったと続けました。

1999年に著書『22世紀芸術家探訪』を発表した椹木。子どもの頃から様々なメディアで21世紀のビジョンが語られ、「21世紀」という言葉には非常に馴染みがあったと言います。そして21世紀を目前としていた同書の発表当時、あえて「22世紀」という言葉に着目したと続けました。
また、1984年に自身初の著書『写真都市 City obscura 1830→1980』を出版した伊藤は、写真というメディアの変遷には、都市の感受性の変容も含まれており、写真家が都市を撮るのではなく、都市と写真が一体化しているとも言えるのだと語りました。

本展の英語タイトル「NEW PLANET PHOTO CITY」の、PLANETとCITYは次元の異なる枠組みの言葉ですが、その二つの言葉が結びついてしまうような世界観が、本展の参加作家や彼らの作品には表現されていると椹木は述べます。
写真の歴史を解体していくような働きを作品に持たせ、都市の中に生きる人々の精神そのものを写し出し、 さらには21世紀的な写真を飛び越えて、22世紀と繋げているようだと両者は語り合いました。

誰もが当たり前のように写真を撮って人と共有する時代になり、"都市の中に溶け込んでしまっている"と椹木が例えるように、写真がいかに私たちの生活に深く根付き、記憶や経験、認識の土台を形成しているのかを改めて認識するトークとなりました。

2018年5月25日より、京都を中心とする東西の人や文化を繋げていくコミュニケーションスペース ISSEY MIYAKE KYOTOのKURA(蔵)にて「Khadi インドのものづくり - Homage to Martand Singh -」が開催されています。

インドの人々にとって象徴的な織物、カディ(KHADI)。
インド・テキスタイルなどの幅広い文化復興活動で知られるマルタン・シン(Martand Singh、1947-2017)は、「独立、雇用、死生、創造」という観点からカディを「自由の布」と呼びました。
イッセイ ミヤケでは1980年代から続くクリエイションの継続を通し、インド文化との対話ともいえる衣服づくりを行ってきました。その対話は、テキスタイルから発想するブランドHaaTの中で、今日も継続しています。

この特別展示では、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で2018年4月から開催した「Khadi インドのものづくり - Homage to Martand Singh -」展より一部の展示をふたたびご覧になることができます。

ISSEY MIYAKE KYOTOのショップデザインを手がけたのは、21_21 DESIGN SIGHTディレクターの一人でもある深澤直人。歴史ある町屋とISSEY MIYAKEのものづくりが調和する空間で、インドのものづくりに宿る精神と息吹をご体感ください。

2018年5月23日、ギャラリー3では「HAY 5 DAYS LIMITED STORE」がオープンしました。

HAYは2003年にデビューしたデンマークのインテリアプロダクトブランドです。北欧デザインというカテゴリーにこだわらず、インターナショナルな視点を持ち、家具、インテリアアクセサリーからデコレーションアイテム、ステーショナリーなど、ライフスタイル全体をコーディネートすることができるコレクションを展開しています。

「HAY 5 DAYS LIMITED STORE」では、デザイン性の高い小物から人気の家具まで、幅広いアイテムを手にとってご覧になることができるほか、職人の手によってHAYのプロダクトがつくられる様子を映像でご紹介しています。