Loading...

contents

2010年8月 (2)

アートディレクターとして活躍する柿木原政広を講師に、平面なのに立体に見える不思議なカードを用いたワークショップ。まず、用意されたシートに白、青、赤、黄色から連想する言葉と自分に似合う色を記入し、4人一組でカードを用いた神経衰弱。次に、チーム内でそれぞれに似合う色を議論し、「人から見た自分の色」別チームに分かれ、同じカードを使って平面の積み木をつくります。
「几帳面」白チームはピエロを、「きれい好き」青チームは花を、「自分が自分が」赤チームは龍を、「研究熱心」黄チームはクリスマスツリーを完成させます。続いて巨大なカードを使い、チーム対向神経衰弱。自分には黄色が似合うと思うのに白チームに入ってしまったり、赤チームなのにゲームの途中で青チームに移動したりと、色やカードという身近な題材から、社会における「属性」について、楽しく感じられるワークショップでした。

皆さんは属性と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

展覧会が始まって最初の週末に、佐藤雅彦によるオープニングトークがミッドタウンホールにて行われました。

第一部は「属性カード」という今回のトークのために特別に印刷した情報整理カードを使ったレクチャー。佐藤が30年来、一生に一度はやってみたかったとい う「属性カード」を使って「我々は一体何者なのか」を解き明かす試みを行いました。トーク参加者ひとりひとりに配られたカードは、質問に沿った解答欄と切 取線がついて、穴も空いている特別仕様。
壇上の佐藤と一緒に、参加者はそれぞれ質問に回答していきます。「男性か女性か」「参院選で投票したか」「iPhoneを持っているか」など全部で12問の回答が終わると、カードは回収。その場で集計が始まりました。
ビデオカメラや黒板を使い、佐藤自ら詳細に集計現場をレポート。会場全体が何かが始まる楽しげな予感に包まれていました。

集計の間、トークは第二部に進みます。
「(本展覧会を)ただ楽しむだけではなく、その奥にあるものを見て欲しい、それについて話したい。そして皆さんの周りにも、その本質を伝道して欲しい」という佐藤。
まずは今回の展覧会のキーワードでもある「属性」についての説明と、展覧会発足のエピソードから始まりました。「属性」というテーマを扱うきっかけになっ た作品「指紋の池」の初期スケッチや、展覧会タイトルが実は途中で変更になった経緯など紹介。それから作品の見方も交えながら、属性をめぐる考察についてひもといていきます。

トーク終了の時間が近づくと、先ほど集計が完了した「属性カード」の結果を発表。例えば日本全体のiPhoneシェアが4.9%に対して、会場内での結果 は42.7%!Macシェアが日本4.99%に対して、会場内は60.3%!次々と飛び出す意外な結果に、会場は大きく盛り上がりました。




展覧会を作っている間、毎日悩みつつも充実した日々を送ったという佐藤。「失敗も含めて、意味のある展覧会をやりたかった」と語ります。世の中に溢れている自己実現や自分の存在意義、などといったもっともらしい言葉に縛られずに「展覧会を通じて自己、個性という型から自由になり、生き生きと過ごして欲しい」と参加者にメッセージを送りました。