2008年9月 (3)

第4回企画展 吉岡徳仁ディレクション「セカンド・ネイチャー」

セカンド・ネイチャー ―記憶から生み出される第2の自然、デザインの未来を考える

「自然」は私たちの想像を超える美しさを見せてくれる反面、時に恐ろしいほどの力強さを秘めています。同じ物は二つとなく、二度と再現できない自然の姿は、それだけに神秘的な美を備え、人々を魅了します。
デザインとは、かたちを得ることで完成するものではなく、人の心によって完成するものではないかと考えています。また、自然の原理やその働きを発想に取り組むことが、デザインの今後において大切なものとなっていくのではと感じています。

私の空間インスタレーションを目にした人々が、各自が体験してきた自然現象に重ねあわせるようにしながら、その空間について語ってくれるのを不思議に感じていました。人々の体験に喚起される自然の姿とは一体どのようなものなのでしょうか。そのことを多くの方々と考えていくために、本展「セカンド・ネイチャー」では、異才を放つクリエイター7組に参加してもらいました。会場では、それぞれに自然や生命の神秘的な力を伝える作品に加え、空間全体を包む雲のような会場インスタレーションによって実験的な提案を行います。

ひとりひとりの記憶の奥に存在する「自然」から湧きでるように生まれる想像力と、テクノロジーや生命力とが融合することによって生みだされるデザインの未来。改めて地球に問いかけることで生まれる、未来に向けた発想。 それが、私の考える「セカンド・ネイチャー」なのです。

吉岡徳仁(本展ディレクター)

展覧会ポスター

トンパタロットの世界を体験するイベントを開催

9月14日、「祈りの痕跡。」展ディレクター浅葉克己が東洋占術家の真矢茉子(まやまこ)をゲストに迎え、「トンパタロット トーク&占い」が行われました。

浅葉克己×真矢茉子


トンパタロットは浅葉と真矢が2001年に中国麗江(レイコウ)にある東巴(トンパ)文化研究所を訪れた際に偶然発見したもので、トンパ(シャーマン)は日常的に占いなどで生計を立てており、こうした占いの道具を持っているそうです。真矢が身につけていた女性トンパの衣装には、お守りの北斗七星をモチーフにした丸い刺繍が7個ついており、トンパタロットの裏面にも同じ模様がついています。カードは本来全部で33枚あるそうですが、29枚しか発見できず、さらにコピーをする際にヒューズが飛んでしまいコピー機が動かなくなったというエピソードも披露。
浅葉はこの時、トンパタロットが持つ不思議な力を確信し、残りの4枚にはとても恐ろしいことが書いてあるのではないかと思ったそうです。
トークの後は、真矢がトンパタロットによる占いを行い、来場者がトンパの世界を実際に体験。参加者はよく当たると大満足の様子でした。

トンパタロット占い


21日(日)にも、真矢茉子によるトンパタロット占いや、浅葉克己によるギャラリーツアーなどを予定しておりますので、ぜひ会場に足を運んでみて下さい。

トンパ文字の魅力を伝えるお習字教室を開催

8月23日、「祈りの痕跡。」展ディレクター浅葉克己によるワークショップ「浅葉克己のウキウキ トンパお習字教室」が行われました。

ワークショップの様子


トンパ文字は、中国西南地方麗江(レイコウ)の納西(ナシ)族のあいだで、約1,000年前から使われ続けている希少な象形文字です。お習字を始める前に、浅葉が麗江とさらに奥地のトンパ文字の本拠地である白地(ハクチ)村を訪れた際の映像を見たり、会場に展示されている浅葉作品の『トンパ教典「黒白戦争」』、実物のトンパ教典などを見て、文字への理解を深めます。納西族は自然と共に生きる世界観を持ち、特に木の文化を大切にしているそうです。今回のお題である、納西族に伝わる格言「根が丈夫なら木は倒れない。谷が深ければ泉は涸れない」はそういった世界観を表したもので、浅葉が大好きな格言のひとつだそうです。

展覧会を見た後は、いよいよお習字を始めます。まずは、筆遣いの練習として「永」の文字を書きます。この文字には、とめ、はね、はらい、楷書の全ての要素が入っていて、練習に最適だそうです。参加者の多くは久しぶりのお習字で、最初は思うように書けない人も、浅葉の指導でだんだんと滑らかな筆運びになっていきました。
次に、格言に使われているトンパ文字を一文字ずつ書いていきます。参加者に配られたお手本には、トンパ文字を美しく簡単に書けるようにと、浅葉がこの日のために考えた書き順が記されており、初めて書くのにきれいなトンパ文字が書けると好評でした。

最後は、掛け軸用の長い大きな半切紙に清書し、完成した格言を一同に並べます。ずらりと並んだ格言を前に「普段、長い時間集中して書道をする経験はなかなかないので、いい経験になったのではないか。これからも書くことを続けて欲しい。」と浅葉。参加者も実際に書くことによりトンパ文字への愛着がわき、文字の奥深さを感じたと話していました。

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