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アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue
20世紀を代表する伝説的写真家、アーヴィング・ペンと三宅一生。互いに干渉することなく13年間続いたコラボレーションの軌跡を、すべての撮影に立ち会った北村みどりのディレクションで展示。二人の"視覚的対話"を超高精細プロジェクターによる写真の大画面投影やアニメーション、田中一光デザインのポスターでたどった。
会期 2011年9月16日(金) - 2012年4月8日(日)
ディレクターズ・メッセージ
1987年から99年まで、年2回のパリコレクションを終えるたびに、私は東京で三宅とともにコレクションの中から服を選んだ後、ニューヨークに向かいました。アーヴィング・ペンとの撮影の仕事をするためです。三宅は自分のルールをつくり、撮影には立ち会わないと決めていました。自由で創造的な写真撮影をしてもらうために、自分が行ってはいけないと考えたのです。
ペンさんも、一度もISSEY MIYAKEのショウをご覧になりませんでした。私が東京から持ち込む服を心待ちにされており、目を輝かせて一点一点ずつ服の説明を聞いてくださいました。そして、自分の気に入った服を選び、ポーズ、フェイス、ヘア、すべてがひとつになったストーリーをつくりあげられたのです。スタッフは13年間変わらず、フェイスはティエン、ヘアはジョン・サハーグが担当しました。きれいにアイロンをかけてくれたセーディー・ホールも皆勤でした。
私にとっては、撮影は強烈な驚きの連続でした。よく知っているはずの服なのに、ペンさんのレンズの前でまったく違うものに変容していく、見たことのない世界が広がっていくのです。そして三宅はニューヨークから送られてきた写真を見て新たな表現に驚き、感動する。それが大きな刺激となり次のコレクションにつながっていきました。
三宅は声にはならない言葉をペンさんに投げかけ、ペンさんはそれを受けとめてくださる。絶妙な呼吸でコミュニケーションが成り立つ ― 奇跡のような恊働の仕事の存在を展覧会というかたちで紹介します。そのプロセスと人間の創造力の素晴らしさを、この展覧会を通して感じていただきたいと思っています。
北村みどり
開催概要
- 主催
- 21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
- 特別協力
- アーヴィング・ペン財団
- 後援
- 経済産業省、東京都、港区
- 助成
- 駐日アメリカ合衆国大使館
- 特別協賛
- 三井不動産株式会社
- 協賛
- セーレン株式会社、株式会社エイ・ネット、株式会社イッセイミヤケ
- 協力
- キヤノン株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、アルテック、マックスレイ株式会社、株式会社 オプティカルソリューションズ
- 展覧会ディレクター
- 北村みどり
- ドローイング
- マイケル・クロフォード
- アニメーション
- パスカル・ルラン
- 展示ポスターデザイン
- 田中一光
- 会場構成
- 坂 茂
- グラフィックデザイン
- 佐藤 卓
- コーディネーション(U.S.)
- 金井 純