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ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。

20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家、ジオ・ポンティは、スプーン1本から高層ビルまでデザインし、部分から全体を統合的に捉える「眼」を備えていました。1960年竣工の「ピレリ高層ビル」、そして1957年発表の超軽量の椅子「スーパーレジェーラ」は、薄さ、軽やかさを表現した名作です。さらに近年、知られざる名作家具やプロダクトの数々が復刻され、巨匠の多面的な魅力が浮き彫りになってきました。
ジオ・ポンティの眼で世界を視ると、大量生産に対するアートと工芸、またミニマリズムに対する装飾、という世の中に横たわる二元論を軽やかに超えた、住まいの風景が未来に向けて開かれてきます。ポンティは87年の生涯で2つの世界大戦を生き抜き、ウィーン分離派、イタリア合理主義、モダニズム、など時代のイズムに留まることなく、また建築、プロダクト、グラフィックなど分野の細分化にも与せず、統合的に自身の「眼」を追求しました。その軽やかに越境する表現、幸福感が、現代の私たちが必要とするものと共振しはじめます。約70年を経たデザインが現代に、ノスタルジーからではなく、新鮮な魅力を放つ理由は、そこにあるのではないでしょうか。
本展では、ジオ・ポンティ・アーカイヴスの協力のもと、ポンティがミラノの自宅のためにデザインした家具から、モルテーニにより復刻されたアームチェア、コーヒーテーブル、ブックシェルフと、床に大胆に導入されていたセラミックタイルの再現によって、その独自の空間世界をインスタレーションします。また、およそ60年にわたる巨匠の仕事を振り返る大パネルには、1920年代のリチャード・ジノリの磁器製品やオリジナルドローイングの展示のほか、フランチェスカ・モルテーニ監督によるドキュメンタリー映像「Amare Gio Ponti」を上映し、ジオ・ポンティの視線の先にある私たちの未来を考えます。
プロフィール
Gio Ponti(ジオ・ポンティ、建築家、1891 - 1979)
イタリア・ミラノ生まれ。ミラノ工科大学卒業後、建築設計事務所を設立する。1923年、磁器メーカー「リチャード・ジノリ」(当時)のアートディレクターに就任。1928年、建築誌「domus」を創刊。以降、建築、デザイン、編集、舞台美術など、多岐にわたる分野で数多くの作品を手がける。代表作に「ピレリ高層ビル」、「スーパーレジェーラ」など。近年、再評価が進み複数のメーカーから家具、プロダクトの復刻が進められている。
モルテーニのジオ・ポンティコレクション
国立新美術館で開催の企画展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」の会期中、関連展示企画「リビング・モダニティ today」にてモルテーニのジオ・ポンティコレクションが展示されます。
会期:2025年3月19日(水) - 6月30日(月)
会場:国立新美術館 2階企画展示室2E
入場料:無料
映画「アマーレ・ジオ・ポンティ」上映会&スペシャルトークイベント
日時:2025年3月19日(水)15:00 - 16:30
登壇者:サルヴァトーレ・リチトラ(ジオ・ポンティ・アーカイヴス)、フランチェスカ・モルテーニ(映画監督)
会場:国立新美術館 2E展示室 特設会場
入場料:無料(予約不要)
詳細は特設サイトをご覧ください
* 企画展「リビング・モダニティ」への入場には入場料が必要です






- 会期
- 2025年3月19日(水)- 31日(月)
- 会場
- 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
- 休館日
- 3月25日(火)
- 開館時間
- 10:00 - 19:00
- 入場料
- 無料
- 主催
- Molteni&C、株式会社アルフレックスジャパン
- お問い合わせ
- モルテーニ東京 03-3400-3322
- ウェブサイト
- https://www.gioponti-exhibition-japan.com