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六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家
開催概要

contents

六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家

六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家

現代イタリアを代表する建築家・デザイナーでアーティストのミケーレ・デ・ルッキは建築家として先鋭的な活動を続けるとともに、20年以上にわたって手仕事への情熱から創作活動に取り組み、新たなフォルムを探求し続けてきました。マテリアルの選択から仕上げにいたる、数多くのプロセスにおける絶え間ない実験。その芸術を生成させる力は同時に、彼が建築の新たな概念を思考・定義する原動力なのです。「六本木六軒:ミケーレ・デルッキの6つの家」では、デ・ルッキの彫刻「ロッジア」シリーズから6作品を初公開します。

発端は2018年。21_21 DESIGN SIGHTで交わされたデ・ルッキと三宅一生との対話をきっかけに始動した本展は、ギャラリー3の空間のためのプロジェクトであり、会場には木製3点、ブロンズ製3点の「ロッジア」=6つの家(セイ カーゼ)が、ヴィクトル・コサコフスキー監督による制作過程の映像とともに展示されます。デ・ルッキは、会場のある六本木の地名が、かつて存在した6軒の武家屋敷に由来するという一説を知り、6つの家の彫刻作品との間に偶然の一致を見出し、本展を「六本木六軒」と名づけました。

6つの家は、アセチル化処理(木材を安定させ、耐水性、防腐等を高める酸化処理)を施したオーク材の台座に置かれ、そのディテールのデザインもデ・ルッキが手掛けました。
「木とブロンズはそれによって人類が文明を形成し、人間性を成長させてきた最も古くて高貴なマテリアルなのです」
使用したマテリアルには人類学的な意味があるとデ・ルッキは語っています。

「ロッジア」(イタリア語で「涼み廊下」の意)の制作のなかで探究したのは、「間(あわい)の空間」の概念。それは、家の内と外をつなぐ空間であり、内で営まれる生活と外の環境が融合する場です。「ロッジア」の壁には、日本家屋の仕切りである障子と、ヨーロッパの住居における窓のフレームを想わせる要素が編み込まれています。それは、日本とイタリアの伝統に渡す架け橋と呼べるでしょう。本質的に異なりながらも、職人の手仕事に対する深い敬意を共有している双方の文化は、互いを融合させることでより完璧なものになるとデ・ルッキは考えています。

デ・ルッキにとって「ロッジア」は、人が生きる空間をイメージするための自由な旅のようなもの、パッケージ化された建築の概念から離れ、外の世界を採り入れる透過性のある環境の探求です。
「『ロッジア』は、伝統的な日本の茶室を想わせると同時に、建物の内と外との間に連続的な空間を作り出そうと試みる、現代の先端建築を想起させます。
自然の驚異的な力と人間のはかない本質を共存させるため、建築と人と自然との関係はますます重要なものとなり、私たちは生き方の新たなふるまいを模索する必要があるのです」。
本展は、実在する場所について考える一つの方法であり、人々が他者と、都市と、あるいは自然と共に生きる助けとなる、健全な建物とはなにかを模索する場なのです。

ギャラリートーク「LET'S BE HAPPY」

登壇者:ミケーレ・デ・ルッキ
開催日:2024年9月21日(土)
時間:11:00 - 11:45
言語:イタリア語(日本語逐次通訳)
参加費:無料(予約不要、座席なし)

本展にあわせ来日する、ミケーレ・デ・ルッキによる特別なギャラリートークを開催します。1970年代から前衛的な建築とデザインを主導してきたデ・ルッキにより、制作活動の哲学や未来へのビジョンが語られます。直接聞くことができる貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。

* 混雑状況によっては入場制限を行う場合がございますこと、予めご了承ください。

「ロッジア 387」ウォールナット材(2015) Photo by Michele De Lucchi
会期
2024年9月20日(金)- 10月14日(月・祝)
会場
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
休館日
火曜日
開館時間
10:00 - 19:00
* 六本木アートナイト特別開館時間:9月27日(金)、28日(土)10:00 - 22:00
入場料
無料
企画
ミケーレ・デ・ルッキ
特別協賛
株式会社 三宅デザイン事務所
技術協賛
UniFor
ウェブサイト
https://amdlcircle.com/