Loading...

mainImg

「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」

contents

展示構成

「デザインの解剖」とは

「デザインの解剖」とは、①身近なものを ②デザインの視点で ③外側から内側に向かって ④細かく分析することで ⑤ものを通して世界を見る ⑥プロジェクトです。これまでに15年以上にわたり佐藤 卓が手がけた「デザインの解剖」を紹介しつつ、解剖の手法や実践を来場者と共有します。

デザインの解剖

本展では、解剖対象として「株式会社 明治」の5つの代表製品を取り上げ、300以上の項目で解剖を試みます。各製品の冒頭では、歴史や市場などの背景、ネーミング、ロゴタイプやイラストなどのグラフィックの要素、パッケージの形状、品質管理表示方法など外側の部分を解剖します。その後、本体の物性や味覚、原材料へと解剖の対象を内側に向けていきます。製品を子細に観察できるよう、製品の拡大オブジェが展示されるほか、様々な分野で活躍する若手クリエイターの独自の視点に基づく作品も展示されます。

解剖対象: きのこの山

チョコレートとビスケットできのこの形を表現したチョコレート菓子。パッケージの箱の中のそれぞれの個体の動きや、舌触りや歯応え、香りといった普段は見えない要素まで幅広く解剖する。
「ウェブサイトの解析」 中野豪雄(グラフィックデザイナー)
「正面外装グラフィック印刷の拡大」 aircord
「衝突」 奥田透也(デザイナー、プログラマー)

解剖対象: 明治ブルガリアヨーグルト

ブルガリア共和国から輸入された菌を使用したプレーンヨーグルト。密封ができるように形成されたパッケージや、ヨーグルトの物性を考慮して運搬できる仕組みなどを解剖。また、発酵のプロセスや糖分、乳酸菌に関する説明も行なう。
「正面外装グラフィックの変遷」 aircord
「増殖」 奥田透也
「ヨーグルトとスプーンの関係」 細金卓矢(映像ディレクター)

解剖対象: 明治ミルクチョコレート

日本で最初期に工業生産されたミルクチョコレート。"板チョコ"と呼ばれ親しまれているこの製品が、どのように現在のかたちとなったかを解剖する。また製品パッケージに印字されたドット文字の仕組みなどを通して、製造から流通に至るまでの管理方法などの工夫を発見する。
「ドット文字印字の仕組み」 原田和明(オートマタ作家)
「分割」 奥田透也

解剖対象: 明治エッセルスーパーカップ

カップに入ったアイスクリーム。要冷凍製品の製造や流通のプロセスのほか、温度や舌触り・まろやかさにも着目。また、紙を細かく折ることで立体形成されたカップの特徴も解剖する。
「スプーンから知る明治エッセルスーパーカップ」 鈴木啓太(プロダクトデザイナー)
「融解」 奥田透也

解剖対象: 明治おいしい牛乳

発売から15年目を迎える牛乳。2003年の「デザインの解剖」でも取り上げ、その後時代とともに変化した流通やパッケージのほか、原料をつくる牛を取り巻く環境や搾乳にも着目する。また、体験型のインスタレーションを通したロゴタイプの解剖も行なう。
「ロゴタイプの書体変化」 aircord
「形状」 奥田透也
「ロゴタイプの拡張」 下浜臨太郎(グラフィックデザイナー)
「調理における牛乳の役割」 小沢朋子(モコメシ)(フードデザイナー)
「搾乳機の仕組み」 柴田大平(WOW)(映像作家)

5製品を1つの同じ手法で解剖

5製品に共通するパッケージや、工場の生産における様々な要素を、参加作家の作品を通して紹介する。
「文字要素の透写」 佐久間 茜(文字なぞり部)
「外装グラフィックのイメージの観察」、「工場」 細金卓矢
「工場設備の機構」 荒牧 悠(アーティスト)
「製品に関与する人たち」 菅 俊一(映像作家/多摩美術大学専任講師)
「製品にまつわる音要素の展開」 高橋琢哉(作曲家、音楽プロデューサー)

学生による「デザインの解剖」プロジェクト

佐藤 卓が教鞭をとり、武蔵野美術大学にて10年以上続いた授業「デザインの解剖」。佐藤が退いた後も後任の教授により継続され、これまで50以上の製品を解剖しました。本セクションでは、学生が取り組んだ当時の成果を展示します。私たちの生活に馴染み深い製品の知られざる一面に気づき、新たな視点とともに日常に立ち返ることができるでしょう。