contents
21_21 DESIGN SIGHT
2017年3月30日、21_21 DESIGN SIGHTにて
左から:川上典李子、三宅一生(創立者)、佐藤 卓(館長)、深澤直人、安藤忠雄
21_21 DESIGN SIGHTはデザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信し、提案を行う場です。デザイナーをはじめ、エンジニアや職人、企業、一般ユーザーなど、あらゆる人々が参加し、デザインについての理解と関心を育てていくことを目指しています。
21_21 DESIGN SIGHTでは「日常」をテーマにした展覧会を中心に、トークやワークショップなど多角的なプログラムを通じて、訪れる人がデザインの楽しさに触れ、新鮮な驚きに満ちた体験をすることができます。これらの展覧会のディレクターの多くをデザイナーが務めているのも特徴です。
デザインは生活を楽しく、豊かにし、思考や行動の可能性を広げてくれます。目に見える部分だけでなく人とモノ、人と人との関係性もつくっていきます。21_21 DESIGN SIGHTは文化としてのデザインの未来を発見し、つくっていく拠点なのです。
名称とシンボル
英語では優れた視力を「20/20 Vision (Sight)」と表現します。21_21 DESIGN SIGHTという名称は、さらにその先を見通す場でありたいという思いからつけられました。SIGHTはデザインの「視力」であり、ものごとの見方、見ることの大切さを表します。読み方は「トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト」です。
21_21 DESIGN SIGHTでは一枚の鉄板からつくられたプレートをシンボルマークとして、「プロダクトロゴ」という独自の名称で呼んでいます。住居表示板のようなデザインは、この施設がデザインの「場」であることを示しています。また日常生活の中で意識せずに目にするイメージを用いることで、日常に潜む可能性をデザインによって引き出すという21_21 DESIGN SIGHTのコンセプトを表現しています。
21と21の間は人間の目の幅になっています。21_21 DESIGN SIGHTがデザインの「視点」であり、ものごとを真摯に見つめることの重要性を表しているのです。
ヒストリー
1980年代から、日本にデザイン文化の拠点となるデザインミュージアムをつくる必要性を強く感じ、イサム・ノグチ、田中一光、倉俣史朗、安藤忠雄らさまざまなジャンルのクリエイターとその重要性と可能性について語り合ってきた三宅一生は、2003年1月、朝日新聞に「造ろうデザインミュージアム」と題した一文を寄稿し、大きな反響を呼びました。この寄稿がきっかけのひとつとなり、三井不動産ほか多くの賛同者からの協力を得て、2007年3月、東京ミッドタウンに21_21 DESIGN SIGHTが始動しました。
以来、3人のディレクター 三宅一生、佐藤 卓、深澤直人と、アソシエイトディレクター 川上典李子が常に検討を行い、展覧会をはじめとする様々なプログラムを開催してきました。三宅一生を創立者としたこの21_21 DESIGN SIGHTは、2014年にはその活動が「デザインの多視点を提示」したとして「2014 毎日デザイン賞特別賞」を受賞しました。
2017年3月、開館10周年を機に、新たなスペースとなるギャラリー3が誕生しました。また、佐藤 卓が館長に就任し、より多角的かつオープンな状況で、デザインと社会の関わりについて探り、問いかける活動を続けています。
-
1988年5月13日、ニューヨーク、ペースギャラリーにて/左から:安藤忠雄、イサム・ノグチ、三宅一生
-
zoom in 『造ろうデザインミュージアム -世界水準の「資源」生かして-』2003年1月28日 朝日新聞(夕刊)
-
2014 毎日デザイン賞特別賞 受賞