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ディレクターズ

21_21 DESIGN SIGHTは創立者の三宅一生をはじめ、佐藤 卓、深澤直人がディレクターとなり、川上典李子がアソシエイトディレクターとして始動しました。21_21 DESIGN SIGHTの活動や、展覧会のテーマとその内容について、常に検討を行っています。

Photo : Yoshiaki Tsutsui

三宅一生

デザイナー、21_21 DESIGN SIGHT 創立者
1970年三宅デザイン事務所設立。"一枚の布"を基本理念に活動し、'93年「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」スタート。'98年に藤原 大と「A-POC(A Piece Of Cloth)」を開発。Reality Lab.とともにリサーチを続け、2010年に「132 5. ISSEY MIYAKE」、「陰翳IN-EI ISSEY MIYAKE」を発表した。

日本にデザインの拠点をつくろうという2003年の朝日新聞への寄稿に、北山創造研究所が応えてくれ、三井不動産が即決してくださったとき、胸が高鳴りました。「一枚の布」をモティーフとした安藤忠雄さん設計の建物が建設される現場を日々目にすることも、わくわくさせられる時間でした。それらの気持ちと同様に、デザインとは私たちの暮らしに溢れる驚きや楽しさにつながっていることを伝えられてきたからこそ、21_21 DESIGN SIGHTは支持を得ているのでしょう。今後ますます多くの方とともに、刺激を与えあい、知識を分かち合いながら進んでいければと思っています。皆にひらかれた施設を目ざして、21_21 DESIGN SIGHTはこれからも世の中を動かすきっかけづくりができればと願っています。(2017年3月「21_21 DESIGN SIGHT開館10周年に寄せて」より)

三宅一生

佐藤 卓

グラフィックデザイナー、21_21 DESIGN SIGHT ディレクター・館長
1981年東京藝術大学大学院修了、'84年佐藤卓デザイン事務所設立。「ロッテキシリトールガム」「明治おいしい牛乳」のパッケージデザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のグラフィックデザイン、金沢21世紀美術館や国立科学博物館のシンボルマークなどを手がける。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」のアートディレクター、「デザインあ」総合指導も担当。

21_21 DESIGN SIGHTのディレクターを開館当初から務めていますが、企画そのものは2007年に開館する3年ほど前から始まったと記憶しています。すでに海外などにあるデザインミュージアムの概念にとらわれることなく、最初は全く自由に討議していきました。自由な討議を重ねながら、前例がない施設が浮かび上がってきたのです。それは未知なることへの不安とともに、とてもワクワクする感覚でした。そして一つ一つ展覧会を続けてきて、試行錯誤の末に社会に定着してきたのではないかと思います。ただし、定着は概念化を意味します。今後はこれを解体し、さらに次に進んでいくことが求められるでしょう。これが21_21 DESIGN SIGHTのデザインなのだと思います。

佐藤 卓

深澤直人

プロダクトデザイナー、21_21 DESIGN SIGHT ディレクター
1980年多摩美術大学卒業。IDEO(サンフランシスコ、東京)を経て2003年NAOTO FUKASAWA DESIGN設立。世界を代表するブランドや国内外の企業のデザイン、コンサルティングを多数手がける。多摩美術大学 統合デザイン学科 教授。'12年より日本民藝館五代目館長。

21_21 DESIGN SIGHTという名前をつけるところからこの活動は始まったと思います。Sightは視界とか視野あるいは視点という意味があり、デザインを見つめていこうというような思いがありました。Site(場)という意味の音と掛け合わせてつけた記憶があります。デザインを見つめ、それを表現し、伝えていく場として誕生し、その展覧会のユニークな視点と展示は訪れる人々を驚かせ、楽しませてきました。「デザインとはこういうものか」と、新たに気付く人も多かったのではないかと思います。テーマに沿ってディレクターを決め、作家を選び、その部分を深掘りしていただきました。これからもこの活動は続くと思います。これはデザインというものに向けられた全ての人々の視点であり、思いを共有する場なのです。

深澤直人

川上典李子

ジャーナリスト、21_21 DESIGN SIGHT アソシエイトディレクター
デザイン誌『AXIS』編集部を経て1994年よりフリーランスのジャーナリストとして取材、執筆を続ける。21_21 DESIGN SIGHT以外の展覧会企画では「London Design Biennale 2016」キュレトリアル・アドバイザー、パリ装飾美術館「Japon Japonismes. Objets inspirés, 1867-2018」ゲストキュレーター等。武蔵野美術大学客員教授。

「自分たちらしい方法を」と手探りで準備を始めた開館前に始まり、すべてを一から検討し、そのつど地図を描きながら進むという楽しい試行錯誤を重ねながら、21_21 DESIGN SIGHTの活動を続けています。「デザインの視点」で世界をとらえ、考える試みに多くの方々にご一緒いただいておりますこと、皆様のご支援に改めてお礼を申しあげます。デザインと社会の関わりは幅広く、密なものです。だからこそ、ここからさらに行っていきたいことがあり、大切なことをより深く探り続けることの重要性を感じずにはいられません。現状を俯瞰しながら、どう進んでいくべきかを計画し、実現に向けて果敢に進んでいく。そうしたデザインの醍醐味を私たち自身がまさに満喫しながら、体を動かしながらの活動が続いていきます。

川上典李子