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企画展「デザインの先生」

contents

企画発案

デザインやアートに生きる創造者は、自らの哲学や思想を打ち立てるために、卓越した才能を持ち、社会に大きな影響を与えた先人たちの声に耳を傾けたいと願っています。
一方で、その力にあまりに影響されすぎることに慎重であろうとする姿勢もあります。
しかし、彼らの生きた姿勢は、時代を超えて普遍的な価値へとつながっていきます。

ここに紹介する6人の先生たちは、自己の創作活動に専念するだけでなく、社会に役立つデザインの思想を示し、混沌とする時代にある種の秩序を与えるべく、自らに責任を課しながら、デザインという概念を紐解き、それを具体的な実践として社会に伝えてきました。

現代では、「デザイン」という言葉が多義的に捉えられすぎているきらいがあります。そのことがさらなる混沌を生み出していることに危惧を抱きますが、ここに集った6人のマエストロたちが築いてきたデザインの思想は、決して揺らぐことなく、これからも私たちの日常生活に寄り添い、潤いを与え続けてくれると信じています。

哲学者イマヌエル・カントは、「使いやすいことは美しいことだ」と語り、 マックス・ビルは、「美は機能である」と言いました。

この展覧会が、混沌とした時代にあって、一筋の光となることを願っています。

21_21 DESIGN SIGHT ディレクター
深澤直人