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トーク「D-8が語るデザインとミュージアム」Vol.1を開催

2013年11月16日、「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」関連プログラム「D-8が語るデザインとミュージアム」Vol.1 「デザイン・ミュージアムの魅力と力」を開催しました。
1966年に発足以来、デザイン8団体がデザインを通じた社会貢献を目指し活動を続ける日本デザイン団体協議会(略称D-8)。今回のプログラムでは、第一回トークイベントとして、浅葉克己(アートディレクター、日本グラフィックデザイナー協会 会長)、稲垣 博(日本空間デザイン協会 副会長)、木村一男(名古屋学芸大学メディア造形学部教授・学部長)が洪 恒夫(東京大学総合研究博物館特任教授、日本空間デザイン協会 理事)をモデレーターにショートプレゼンテーションとクロスオーバートークを行いました。

まず冒頭に洪よりD-8の紹介がされました。2006年、D-8はJDM設立研究委員会を設立し、ジャパンデザインミュージアム(JDM)構想を打ち出しました。そして、D-8の活動を踏まえ、日本のデザインを示唆し、JDM像を浮かび上がらせる展覧会「DESIGN ふたつの時代 [60s vs 00s] ジャパンデザインミュージアム構想」(2010年)を開催しました。
このイントロダクションの後、三者によるショートプレゼンテーションを開始。まず浅葉は「富士山が世界遺産になり、2020年には東京オリンピックが開催される。かつては世界の影響が日本に集約されていたが、いまは日本から世界発信すべき」と述べ、日本の伝統にアイディア次第で新鮮味を与えることができると語りました。
次に稲垣が「ミュージアムができることとその魅力」について紹介。ミュージアムをつくるにあたって重要な要素を挙げました。資料を後世に残す「収集保存」、相互にリンクした「調査研究」、十分な設備による「展示公開」、研究や教育の拠点「学習交流」が重なることによって活気が生まれると述べました。
そして木村は公益財団法人 日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)の歩みを紹介。捨てられる運命にある産業デザインのアーカイヴを保存する施設として1997年に設立されたJIDA デザインミュージアム1号館in信州新町の例を語りました。

その後のクロスオーバートークでは、「学術や研究の成果を発表するインターフェースとしてデザイン・ミュージアムがあると良い」などの考えが挙げられるとともに、五感を通じて本物に触れることのできる場として、先人の素晴らしい想いを伝え、若者がそれを継承できる場としてデザイン・ミュージアムが必要であるとトークを結びました。