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「ポスト・フォッシルな人々」 ピーター・マリゴールド



6月12日、参加作家のピーター・マリゴールドによるクリエイターズトークが行われました。ロンドン芸術大学セントラル・セントマーチンズ校で彫刻を学びながらデザイナーになることを夢見ていたマリゴールドは、ブラジルで刺激的な1年間を過ごした後イギリスに帰国し、RCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)でプロダクトデザインを本格的に学び始めます。

『make/shift』

RCA時代のプロジェクトでは、ものづくりにおける即興や議論の重要性を学び、卒業制作では、引越先がどこでも使える棚のシステム『make/shift』を発表しました。プロトタイプが成功した瞬間には「マジックのよう」と感動し、企業との共同作業を通して文字通り「開眼」を経験したと語ります。



展示中の『split box』では、円をどの方向から分割しても角度の和が360度になることと、四角形の内角の和が360度であるという「神秘的な」原理に注目。東京ではヒノキ、マイアミではマンゴーの木をランダムに4分割して生まれた箱が、まるで都市や細胞のように増殖して行く作品です。「どの木を見てもその中に無限の形の箱や宇宙を見出す」というマリゴールドは、「変化や破壊はものづくりのプロセスにかけがえのない要素ではないか」と語ります。

『Palindrome』

最新作は木で漆喰の型をとり、型と融合させた『Palindrome』シリーズの12.27mに及ぶテーブル。ここでもやはり、シンメトリーという、地軸をも連想させる強烈な幾何学への興味が表れています。「今回の来日を心待ちにしていた」というマリゴールド。トークの後に行われた公開制作では、集まった観客からの質問が止むことなく、ポスト・フォッシル世代の作家の思想と仕事に触れられる、楽しい午後になりました。