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「ポスト・フォッシルな人々」 皆川 明
展覧会終了まであと1ヶ月を切った6月5日、2回目となるトークシリーズ「ポスト・フォッシルな人々」は、「ミナ ペルホネン」チーフデザイナーの皆川明を迎えて行われました。
まず、ものづくりに関して「100年以上つづくことをしたい」と皆川は話し始めました。現在ブランドを始めて15年が経つ皆川は、ものづくりはブーメランのようで、古代の発見が巡り巡って現代に戻ってくるのではないかといいます。たとえばコンピューターが発展を始めて、人間の手からどんどん遠い存在になったようで、人間の本能に近づいている。現在アナログな生活を送っているという皆川も、コンピューターが近い未来に身近な道具や、自分の手のような存在として使う日が来そうだと予想します。
デザインを記憶から生まれるものと捉える皆川は現実をそのまま写すことはせず、感情をも乗せられる手が一番高機能だと考えます。テキスタイルの図案はすべて手を動かして生まれるもの。作業には「偶然」を取り込むことが重要で、人間と素材と偶然の接点が「完成」だと語ります。
トークの合間には質疑応答の時間もあり、ものづくりにおいて大切にしていることを質問した学生には「自己満足はだめだと言われるけれど、自己満足をして、やりきったものしか自分は出したくないと思う」とアドバイス。他にも服づくりのきっかけやテキスタイルのテーマに関する質問から、学生時代陸上をしていたことを交え、さまざまなエピソードが披露されました。
「人とものが相対的な関係を持ち、ものの生命力を感じる展覧会だった」と語った皆川。素材に耳を傾ける、が重要なテーマのひとつであるポスト・フォッシル時代のものづくりを実際に感じられる貴重な時間となりました。