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土田貴宏 (8)

デザインを通じてさまざまなものごとについてともに考え、私たちの文化とその未来のビジョンを共有し発信していくイベントシリーズ、21_21クロストーク。約1年ぶりの開催となる第4回目として、2023年6月15日に、展覧会ディレクターズバトン「The Original」×「Material, or 」を開催しました。

トーク当時開催中の企画展「The Original」の展覧会ディレクター土田貴宏と、2023年7月14日に開幕した企画展「Material, or 」の展覧会ディレクター吉泉 聡が登壇し、21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターでありジャーナリストの川上典李子がモデレーターを務めました。

まずは、企画展「The Original」について、川上から土田に本展の骨格やこだわったポイントについて尋ねました。
土田は「『The Original』をテーマに、独創性や社会への広がり、後世への影響を伝えられるような構成を目指した」と答え、展示プロダクトは、選定をした私たちからの問いかけでもある。プロダクトのどこにオリジナルを捉えたかを意識して見てほしいと述べました。
土田は続けて、ほどんどが現行品であり量産品を選定しており、インテリアショップでも手に取ることができるものなので、展覧会として価値のあるものになるのか、実際に観に来てもらえるのかと、不安もあったことを振り返りました。

次に企画展「Material, or 」について、展覧会ディレクターの吉泉から説明しました。「まず、本展では、マテリアルは『地球上のすべてのもの』として考えています。特定の意味をもたないそういったマテリアルに、人間が意味を与えることで素材にもなり得る。マテリアルの意味が変わっていくといった意味を込めて『Material, or 』という展覧会タイトルにしました」と説明しました。川上が「or」の後にスペースが入っていることについて問うと、吉泉は「『or』に先があることを文字でも表現したいという思いで、スペースを入れることに決めた」と答えました。

展覧会ポスター

続けて、ポスターのビジュアルについても触れ、波打ち際で収集した自然物や人工物を使用したと述べました。波打ち際ではさまざまな漂流物が見られ、自然物や人工物の状態やマテリアルの意味も変化する場所であると語りました。

トークは今回のクロストークのテーマとなっている 「デザインの現在と拡がり」に移ります。2023年4月にイタリアで行われたミラノサローネ国際家具見本市では、土田と吉泉はともに展示を行い作品を発表しました。
土田は「社会課題はさまざまにあるが、シンプルな答えでは解決できないことがたくさんあるので、あえてあいまいな答えを出した。2020年以降は量産品のデザインだけではプロダクトデザインを語れない時代に入るのではないかと思い、ミラノサローネでは今後どのように流通するか知れない作品を展示した」と述べました。
吉泉は「社会課題について、解釈をして問題を切り出すことは簡単だが、複雑に絡み合っていることを受け取ることが大切なのではないかと認識している。デザイナーは言葉を超えたところに存在するものを感じ取り、形にして共有することができると考えている」と語りました。

トーク終盤の質疑応答では、参加者からたくさんの質問が寄せられました。
「熱量を感じたプロダクトはありますか」という質問に、土田は「フランコ・アルビニによる椅子『ルイーザ』(1955/2008、カッシーナ)は、あらゆるディテールにデザイナーの凝らした配慮があり熱量を感じる」と答え、吉泉は「ゲーリー・クラインがつくったKLEIN(クライン)という自転車。修士論文がそのまま製品になったことでも知られ、現在は販売が終了してしまったメーカーだが、規格化されたことと、量産されたことに熱量を感じている」と答えました。

「21_21 DESIGN SIGHTという場所性などから、展覧会コンセプト以外で大切にされていたことはありますか」という質問に、吉泉は「答えを提示しないということを大切にした。日常の中で流れてしまうような気づきや立ち止まるきっかけを、展覧会の中で観ていただけるように目指した」と述べました。

異なるテーマの展覧会でディレクターを務める2人が、展覧会に込める思いを語り、デザインの現在と、そこから拡がる可能性を探る貴重な機会となりました。

六本木アートナイト2023の開催に合わせ、21_21 DESIGN SIGHTでは開館時間を22:00まで延長しました。5月28日(日)には、企画展「The Original」の関連プログラムとして、本展ディレクターの土田貴宏によるギャラリーツアーを開催しました。

本展では19〜21世紀の家具など日用品の名品が大まかな時系列で展示されていますが、そこに明確な順路はなく、さまざまな方向から観てプロダクトの新しいつながりに気づくことができるように構成されています。ツアーでは、展示プロダクトを俯瞰して互いの共通点を見つけ出し、デザインの意図や背景についての理解が深められるよう、会場を巡りました。

プロダクトに近づき細部まで観察する姿や、頷きながらメモを取る参加者も見られ、本展をより深く理解することができる機会となりました。

展覧会の会期も残りわずかになりました。プロダクトに加えて、写真やテキスト、グラフィック、展示空間でも「The Original」の背景にある考え方をあますところなく紹介しています。会場にお越しの際はぜひお楽しみください。

2023年5月22日(月)、企画展「The Original」に関連して、トーク「並はずれた、独創の力。」を開催しました。本展ディレクターの土田貴宏、21_21 DESIGN SIGHTのディレクターでもあり、本展企画原案の深澤直人が出演し、企画協力の田代かおるがモデレーターを務めました。

左から、土田、深澤、田代。

冒頭で展覧会誕生の経緯について尋ねられると、深澤は、デザインの真髄を見せる展覧会を一度やった方がいいのではと考えていたと答えます。「デザインには、真似ではなく、エッセンスを継承していくという流れが必ずある。それとは絶対交わらないぞ!という思いでやっているデザイナーもいるし、自分で独創性を生み出そうとデザインをする人たちがたくさんいた時代があった。そういう人たちを知った方がいい」と語りました。

そして、二人のジャーナリスト、土田と田代に語ってもらうことを考えたといいます。深澤から挙がった「The Original」という原案に対して、土田は、いわゆる「原点」だけではなくより独創性に焦点を当てたものへと考えを展開し、「いくつかの方向性から考えることで展覧会を構成することができるのではと考えた」と加えました。

また展覧会タイトル決定の経緯について深澤は、何がオリジナルなのかがわからない時代だからこそ「The Original」という言葉を選んだと説明します。当初土田は「独創の力、その意義と美しさ」というキャッチコピーを挙げましたが、「並はずれた(Extraordinary)」という言葉が深澤から出てきたことで「並はずれた、独創の力。(The Extraordinary Power of Originality.)」というキャッチコピーが生まれたと話しました。

続いて深澤が、本展を企画するきっかけとなった3つのプロダクトについて紹介します。1点目はフランコ・アルビニによる椅子「ルイーザ」(1955/2008、カッシーナ)。少しだけ広がった脚先やアームの先のデザイン。これを別の人がやったら真似になる。なぜ単純な椅子にこんなにも個性が出せるのか。深澤は「尊敬しかない」と感じ、本展の企画の際に一番最初に頭に浮かんだといいます。

2点目はルイジ・カッチャ・ドミニオーニのランプ「インブート」(1953/2018、B&B イタリア)、そして3点目として挙げたのがヴェルナー・マックス・モーザーによる椅子「モーザー 1-250」(1931、ホルゲングラルス)です。モーザーは日本では流通していませんが、スイスではよく見られる一般的な椅子です。深澤によると、背板の隅に後ろ脚がくっついている点で「僕らの常識からは上(うわ)っている。」こんなに人に影響を与える単純な椅子は他にない、間違いなく「最高の椅子」だと語りました。

トークは、本展のメインビジュアルに「ローリーポーリー」(2018、ドリアデ)が採用された経緯へと展開します。やや広すぎるくらいの座面は、デザイナーのフェイ・トゥーグッドが母性に目覚めた時期に生まれたデザイン。土田は、個人的な思いが表現された形のインパクトと、元々は少数生産品だったものが量産されて広がっていったというストーリーが魅力だと語りました。土田の提案を受けた深澤は、この椅子をメインビジュアルとして使用することで「一体どんな展覧会なんだろう?」と思わせるのではと考え、メインビジュアルに推薦したと説明しました。

本展ではローリーポーリーのような近年のデザインも複数展示しています。土田は「デザインの変遷が見られるだけでなく、まだ価値づけされていない現代デザインもぜひ見てもらいたい」と話しました。

田代は「デザインに限らずどの分野でも、何がオリジナルで何がリデザインで何がコピーなのかよくわからなくなってしまった時代。知ろうと思えば、ちょっとした努力で、オリジナルを探ることはできる。展覧会で見たものがそのヒントになればいいなと思う」と語りました。形あるものに囲まれて生きる中で、その形がどのような苦労を経て生まれてきたかを知ると、生活が楽しくなる。ものの背景にある作者の葛藤や喜びを知って楽しんでもらえれば、と続けました。

最後に深澤は、日常の中でいいデザインを語りあえる機会があまりないこと、また本物に触れて感動する機会が減っていることを危惧しているといいます。「いいデザインを知れば知るほど、自分を豊かにしてくれるものがこんなにもあることに気づき、生活は豊かになると思う」と強調しました。

また、若手のデザイナーに対して「目標があればそれに向かって努力できる。凄さを知らなかったら、行く術がない。経験の少ないデザイナーは自分が感動したものを手本にすればいい。たどり着けると思ってやろうとすれば、きっとできるようになる」というメッセージを伝え、本トークを締めくくりました。

* 括弧内は、デザイン年/販売開始年、メーカーを表しています

現在開催中の企画展「The Original」に関連して、『AXIS』223号に、展覧会ディレクターの土田貴宏と、21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクター川上典李子のインタビューが掲載されました。
詳細と購入に関しては、AXISのウェブサイト(外部サイト)でご確認ください。

『AXIS』223号

2023年4月30日(日)、企画展「The Original」に関連してトーク「企画展『The Original』を俯瞰する」を開催しました。登壇者には、鈴木 元(プロダクトデザイナー)、松澤 剛(デザインプロデューサー)、山田 遊(バイヤー)、渡部千春(デザインジャーナリスト)を迎え、本展ディレクターの土田貴宏がモデレーターを務めました。

左から、松澤、鈴木、山田、渡部、土田。

トークは、それぞれが企画展「The Original」を観覧した際に抱いた感想を述べ合うところから始まります。
渡部は「最近は実物を見るという機会が減っている。展覧会を見て、美しいものはやはり心に響くと感じた」と述べました。開幕初日の午前中に見にきたという山田は「観覧の早めの段階で展示品がほとんど現行品であることに気づいた。つまりかなりセレクトショップに近い形の展覧会だと思う」と語りました。普段お店をつくる上で、情報の置き方や見せる順番を常に考えている山田は、展覧会のテキストの置き方から、先に情報を入れたいのだということに気付いたといいます。それに対して土田は、展示品にはすべてにテキストをつけ、展示プロダクトを見る際に絶対に文字が目に入るよう工夫したと説明しました。

鈴木は作り手の立場から「本当のマスターピースというより少し外したものが入っていて、その串刺しの仕方が『The Original』だと感じた」と述べました。自身のものづくりに対する考え方も交えながら、展示プロダクトが、独創的であろうとしてつくられたものではなく、目の前の素材などに向き合い没頭してつくったという印象を受けたといいます。また、そのほとんどが量産品であることについて、独創的で個性的であるにも関わらず、受け入れられて売り続けられていることに感銘を受け、つくり手として勉強となったと語りました。

松澤は「オリジナルはつくろうとしてつくるものではない。作為なく、滲み出てしまうデザイナー自身の細胞のようなものなのではないか」と話し、デザイナーとメーカーとの関係に触れながら、ひとつのプロダクトが何十年も残るということがいかに難しいことかについて説明をしました。

一方で松澤や山田からは「これがない、あれがない」がたくさんあったという意見も上がります。土田は、展示候補として挙がってはいたものの、国内の在庫の状況などにより展示を諦めたプロダクトがあることを明かしました。また展覧会として俯瞰して考えた場合に、当たり前のものが並びすぎているのはどうかと考え、あまりにも有名すぎるプロダクトのいくつかはあえて候補から外したという経緯も語られました。

引き続き選定についての意見交換が深まります。渡部は「どうしても一人では選べないと思う」といいます。あまりに主観的なもの選びは、それはそれでおもしろいかもしれないけれど、デザインがコミュニケーションのツールであると考えると一人のメモリだけで測るのは無理だと話しました。土田も「客観性を重視した」と答えます。選定者が複数いれば指標はいくつか持たざるを得ない。揺らぎはどうしても避けられないがそれもひとつの意義として捉えていたと加えました。

トーク後半の質疑応答では「展覧会を、こう見たらおもしろいのでは?というのがあれば教えてください」という質問が寄せられました。
松澤は「その場で値段を調べたり、情報を調べながら見るのもおもしろいのでは」と答え、値段によってそれがどれだけ世の中の人を対象としているのかと知ることもできるといいます。鈴木は「自分の家に置いてみたらどう見えるんだろうと考えながら見るのも楽しい」と答えました。

土田は鈴木のコメントを受け、展示プロダクトが「展示されること」を目的につくられていないこと、それゆえ展示空間でその良さをすべて伝えるのは難しいと述べました。展覧会ではどこにオリジナリティがあるのか、に焦点をあて紹介しています。土田は、それを考えるきっかけを示せればと話し、本トークを締めくくりました。

現在開催中の企画展「The Original」に関連して、『エル・デコ』6月号に、展覧会ディレクターの土田貴宏、企画原案の深澤直人、企画協力の田代かおるのインタビューが掲載されました。
本誌の詳細は、エル・デコのサイト(外部サイト)でご確認ください。

『エル・デコ』6月号

2023年3月、企画展「The Original」のオープニングトークを2回にわたって開催しました。オープニングトークvol.1では、本展ディレクターの土田貴宏と会場構成を担当したデザイナー吉田裕美佳が出演し、オープニングトークvol.2では、本展のグラフィックデザインを担当した飯田将平と、プロダクトの撮影を担当したゴッティンガムが土田と共に出演しました。

オープニングトークvol.1 の様子

「The Original」というテーマについて吉田は、Originalに「The」が付くことから、当初は個性の強いプロダクトが並べられると想像していたと言います。しかし、吉田自身「The Original」に当てはまるプロダクトとは何かを考えていくうちに、身の回りの暮らしになじむプロダクトも当てはまるのでは、という気づきを得たと語りました。

会場空間においても、プロダクトを淡々と展示するのではなく、ギャラリー1でのスタイリングを通じた展示や、ギャラリー2でのプロダクトの展示では、暮らしを想起させる空間になるよう意識したと話します。会場では、展示室らしい白い壁ではなく、全体的に生活になじむようなベージュトーンの色が使われています。ベージュだけでも3色ほど使用し、その結果、空間の奥行きを体感したり、展示全体に多角的で幅広い印象を感じたりする効果もあったと語りました。

会場風景(ギャラリー2)
撮影:木奥恵三

土田は、本展の展示プロダクトを選出する「選定会」の詳細についても語ります。当初は300点以上のプロダクトが展示の候補として挙がりましたが、企画原案の深澤直人、企画協力の田代かおる、そして土田の3名が議論を重ね、最終的に約150点ほどのプロダクトに決定しました。
本展には「並はずれた、独創の力。」というキャッチコピーがついていますが、力があれば時代が経ってもつくられ続けるという考えのもと、希少性の高いアートピースのようなプロダクトではなく、現在でも流通しているプロダクトを展示の大半に選んだところが本展のポイントだと土田は語りました。

選定会の様子

その後は、展覧会の順路に沿って展示プロダクトの魅力や見どころを語り、準備段階での裏話もいくつか紹介しました。たとえばレゴ®ブロックについて、1940年代に積木の素材にプラスチックを用いたことと、つけたり外したりという機能を持たせたことが、先見性がありオリジナルではないかと感じた点だと言います。また、課題となっていたその展示方法については、吉田が図案を提案し、会期直前に土田が黙々と組み立てたというエピソードを紹介しました。

ギャラリー2で展示しているレゴ®ブロック
撮影:木奥恵三

また、トーク中に土田から、21_21 DESIGN SIGHTの建築そのものも「The Original」のひとつに含んではどうか、という提案がありました。開幕後、土田が執筆したキャプションを会場内で追加展示しています。ぜひご覧ください。

本展ディレクター土田貴宏によるキャプション

オープニングトークvol.2に出演した飯田将平は、展覧会のポスターやフライヤー、チケットなどの広報用印刷物と、会場内の壁面グラフィックやパネル、キャプションなどのグラフィック全般を担当しました。ゴッティンガムは、それら印刷物のための写真撮影に加えて、会場内の壁面に大きくレイアウトされたプロダクトの撮影も担当しました。

オープニングトークvol.2の様子
会場風景 展示プロダクトの関連性を表すグラフィック(ロビー)
撮影:木奥恵三
会場風景 写真を大きくレイアウトした壁面のグラフィック(ギャラリー2)
撮影:木奥恵三

「The Original」という本展のテーマについて、ゴッティンガムは徐々に解釈が変化していったと語ります。Originalと単数形で表現されていることに着目し、各プロダクト個別の独創性に焦点を当てるというよりも、展示プロダクトや会場のグラフィック、キャプションなども合わさって、展覧会総体が「The Original」なのではないか、と感じるようになったと話しました。

本展では、ポスターやチラシなどの印刷物に加えて、会場の壁面にレイアウトするプロダクトの写真を約50点撮り下ろしています。どのプロダクトを会場の壁面グラフィックに取り入れるかについて、土田は、小さいプロダクトは特に、写真によってディテールを拡大することができるので、詳細な箇所まで見ることができる点で意義があると考えたと語りました。

会場風景(ギャラリー2)
撮影:木奥恵三

また飯田は、実物のプロダクトが会場には並ぶので、写真は違った側面を見せる方がよいと考え、ゴッティンガムと相談し、製品写真のように良いところが引き立つ写真ではなく、あえて手持ちカメラを使用する撮影手法を選んだと語ります。結果として重力を感じない浮遊感のある写真となり、たとえば「プラットナー コーヒーテーブル」など、プロダクトの思いがけない表情を発見できたと語りました。

ウォーレン・プラットナー「プラットナー コーヒーテーブル」(1966、ノル)
PHOTO: UNTITLED (THE FORMS THAT DESIGNERS FIND OUT #152), 2022 © GOTTINGHAM
IMAGE COURTESY OF 21_21 DESIGN SIGHT AND STUDIO XXINGHAM

ゴッティンガムは、全てのプロダクトに対して等価に扱うように意識し、それは撮影手法にも関連したと話します。具体的にはライトや絞りを単一にしたフラットな撮影を行いました。プロダクトに力強さがあれば、どこからどのように撮っても強さや魅力は残るだろうという仮説があったそうです。

ゴッティンガムが手持ちカメラで撮影する様子

オープニングトークでは、出演者それぞれの「The Original」に対する考えや、開催に至るまでの裏話など、幅広く語り合う内容となりました。
会場にお越しの際は、約150点の展示プロダクトに加えて、その魅力を伝えるテキストや写真、グラフィック、会場空間に注目しながらお楽しみください。

2023年3月3日、いよいよ企画展「The Original」が開幕します。ここでは会場の様子を写真で紹介します。

世の中に深く影響を与えるデザインを「The Original」と定義し、問いかける本展では、デザインの第一線で活躍する3名、土田貴宏、深澤直人、田代かおるによって選ばれた、家具、食器からテキスタイルや玩具など約150点のプロダクトを見ることができます。
会場内壁面のグラフィックには、写真家ゴッティンガムが本展のために撮影した展示品約50点の写真が大きくレイアウトされています。実物と合わせてそれらの写真をご覧いただくことで、肉眼とも異なった視点で各プロダクトの魅力を存分に感じ取っていただけることでしょう。また、一部のプロダクトは、実際の生活で使用する様子を体感できるよう、インテリアデザイナー吉田裕美佳のスタイリングにより部屋のように再現したインスタレーションの中で紹介されています。

本展での「The Original」は、必ずしもものづくりの歴史における「始まり」という意味ではありません。多くのデザイナーを触発するような、根源的な魅力と影響力をそなえ、そのエッセンスが後にまでつながれていくものです。

世界の流行や潮流(トレンド)に適応することではなく、目の前にあるデザインの参照点であり、すべての端緒となる「The Original」をたどること。そしてあらためて見つめなおすことは、デザインの時間を超えた文脈と、それらを生み出したデザイナーたちとのつながりをもたらすでしょう。

会場風景(ギャラリー2)
会場風景(ロビー)
会場風景(ギャラリー1)
会場風景(ギャラリー2)
会場風景(ギャラリー2)
会場風景(ギャラリー2)
会場風景(サンクンコート)
会場風景(ロビー)

撮影:木奥恵三/Photo: Keizo Kioku