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Making of SHIRO KURAMATA and ETTORE SOTTSASS Exhibition

展覧会ディレクター 関 康子によるウェブコラム
「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展への道 第7回(最終回)

「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展は、いよいよ明日2月2日オープンします。
本展は、2人の友情と夢と愛が主題。倉俣作品は2人の親交が深まった1980年代以降の家具と小物、またソットサス作品は最晩年のアートピース「カチナ」シリーズを展示。これらは、デザイナーとして30年以上のキャリアを持つ倉俣史朗と70年近く活動していたソットサスが、その長い創造という旅の末にたどり着いた表現であり、デザインの到達点ということができます。その作品から発せられるメッセージは、人の生や営み、創造やデザインへの限りない夢と愛が込められています。まだまだ寒い日が続いていますが、展覧会は2人の暖かな愛に満ちています。春の予感も感じる今日この頃、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

さて、現在、2日のオープンを目前に会場施工の佳境を迎えています。刻一刻と出来上がる会場の模様をお届けしましょう。


1月20日、会場設営、倉俣作品搬入

展示構成はクラマタデザイン事務所のスタッフだった近藤康夫さんと五十嵐久枝さん、搬出入と施工は倉俣さんのデザインを知り尽くしているイシマルさんが担当しています。この日は、スペースづくりと倉俣作品の搬入が行われていました。

厳重な梱包を丁寧にほどいていきます。
2人の親交が深まるきっかけとなった「メンフィス」。そのアイコン的な作品であるソットサスデザインのカールトンも展示されます。いくつものパーツに分解されたカールトンは部位ごとに清掃、組み立てられていきます。今では、貴重なオリジナルです。
サンクンコート前のスペースに搬入された倉俣作品が集合。ここでコンディションを再度確認し、展示室に移動します。


1月22日、倉俣作品搬入終了

この日の夕方、倉俣作品の仮展示は終了。展覧会の企画者である三宅一生さんも下見に。展示のデザインは模型やCGでさんざん見ていましたが、やはりリアルな空間とは全く印象が違います。ソットサス作品は、ベルギーのギャラリー・ムルマンのムルマンさんの来日を待って展示。世界初公開、ソットサス最晩年のアートピース、今から楽しみ。

メンフィスのひとつ、スターピース製「TOKYO」は、重たくて組み立ても一苦労です。
山のようあった作品もほとんど展示され、「カビネ・ド・キュリオジテ」と「TOKYO」が出番を待っている。
エントランスでは、2人の親交のきっかけとなった「メンフィス」の作品が、皆さまをお出迎えします。


1月29日、オープン目前に

ソットサスのカチナシリーズも無事に展示終了。パネル類もすべて掲示されました。後は微細な調整を行いながら精度を高めていくこと。オープン前日である2月1日は、倉俣史朗さんの20年目の命日でもあります。いつもはご家族やごく親しい方々との集いですが、今年は21_21で迎えるオープン前夜となります。きっと、倉俣さんとソットサスの魂が作品に帰ってきて、私たちには聞こえない声で「やあ、久しぶり!」なんて、おしゃべりされるのではないでしょうか。

会場に搬入された「カチナ」の木箱
「未知なる者の魂、未知なるすべてのものの魂」であるカチナ。その魂が語りかけてくる。まさにソットサスの愛のメッセージ


さて、2カ月余りお付き合いいただきましたコラムですが、今回でいったん終了させていただきます。会期中は21_21のスタッフが引き続きレポートをお届けしますので、お楽しみください。
最後に、皆さまのお越しを、心よりお待ちいたしております。

関 康子

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