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2013年6月 (2)
6月21日(金)より、いよいよ「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」が開幕します。
展覧会ディレクターの藤原 大が世界各地で「採取」した色をもとに、さまざまな協力者との恊働から生み出された靴、本、めがね、映像やインスタレーションの数々......。体験型作品も含めた全19プロジェクトを、丁寧な解説と豊富なプロセス写真とともに紹介します。ぜひご来場ください!
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6月29日(土)14:00-15:30に藤原 大自ら会場をご案内するギャラリーツアーを開催。参加予約は不要ですので、ふるってご参加ください!
>>藤原 大によるギャラリーツアー
藤原大のインタビューを通じて、展覧会の魅力やプロセスを連載でお伝えするレポートを更新中。ぜひご覧ください!
>>「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」レポート
Photo: 木奥恵三
「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」の開幕に向け、展覧会ディレクター 藤原 大のインタビューを通じて、展覧会の魅力やプロセスを連載でお伝えします。
藤原 大が提唱するカラーハンティングとは、対象物を観察し、自分の手で水彩絵具を混ぜてその色を写しとることだ。今回の展覧会に出品される作品のうち、カラーハンティングから発展させたプロジェクトを紹介する。
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カラーハンティング
展覧会のイントロダクションとして展示する映像作品。2013年3月3日、冬の風景が残る八ヶ岳でのカラーハンティングの様子を、山中 有が映像に収めた。このときに採取した8つの色を用いた成果物もあわせて展示される。
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ライオンシューズ
2012年11月、アフリカに向かった藤原はセレンゲティ国立公園で野生のライオンの色をハントした。同公園は14,763km²の広大なサバンナ。100万頭を超すヌーが、シマウマやガゼルなどの草食動物とともに、ケニアのマサイマラから1年をかけて時計回りに一周する大移動を繰り広げている。ライオンはヌーの動きを追うように移動しているのだ。カラーハントしたライオンの色に染めた生地で、カンペールが靴を制作。
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スカイダイアリー
2011年6月からの1年間、藤原は出張先にも絵具をもち歩き、朝もしくは午前中の空の色をとり続けた。すべてのカラーチップをインスタレーションとして展示する。さらに藤原のコンセプトに共感したオランダのグラフィックデザイナー、イルマ・ブームがデザイン、キュレーター・編集者の太田 佳代子が制作した"空のメモリーブック"も展示される。
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リップインク
おとなと子ども、5人の男女の唇の色を藤原がカラーハント。それぞれのカラーチップをもとに、セーラー万年筆のベテランインクブレンダー、石丸 治が唇の色のインクを制作。
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肌色メガネ
2013年の成人の日、藤原は東京で透明感のある肌の女性を探し、ひとりの女性に声をかけて肌の色をハントした。彼女の肌色のカラーチップをもとに、アイウエアブランドJINSがメガネフレームを試作。資生堂の肌研究のデータも取り入れた"肌色メガネ"を展示する。肌を美しく見せるメガネ、直接メーキャプするメガネといった新たなプロダクトの可能性を追求しているプロジェクト。
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世界色遺産01 朱鷺
佐渡市新穂小学校の5、6年生43人が、本物の朱鷺の羽根を見ながら、朱鷺の色を画用紙に写しとった。
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浜の色音
藤原が沖縄本島、八重山諸島の海水浴場をまわり、海や砂の色、草木の色など100色以上を集めた。コニカミノルタ、ヤマハの協力を得て色を数値化・グラフ化したデータが音に変換された。その音を作曲家の畑中正人がサウンドスケープとして仕上げるプロジェクト。
このほかにも、聖武天皇(奈良時代)の遺愛の品のリストである「国家珍宝帳」に登場する色に着目し古代の色を再現するプロジェクト、データサイエンスにより色と言葉のつながりを探るプロジェクトなど、色をテーマとしたさまざまな作品が紹介される。(了)
構成・文:
カワイイファクトリー|原田 環+中山真理(クリエイティブ エディターズ ユニット)