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「私の一品」Vol.15 Astrid Klein(デザイナー)

企画展「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」は、来場者の皆様をデザインミュージアムの"入口"へと誘う展覧会です。
ウェブサイト上の本連載では、会場を離れ、各界で活躍する方々が未来のデザインミュージアムにぜひアーカイブしたいと考える"個人的な"一品をコメントとともに紹介します。
展覧会と連載を通じて、デザインの広がりと奥行きを感じてください。

1980年代の後半のこと、私たちは日本に初めてやってきて、住民票を手に入れるために何度も区役所に足を運んでいました。そこで私は初めてこのオフィスチェアを目にしました。区役所では働く人全員がこの「CR-1オフィスチェア(以下CR-1)」(1976年のデザイン)に座っていたのです。それ以来、この椅子の簡素な形や機能性、そして凡庸なグレーは私にとって日本の"お役所"を象徴しています。
クライン ダイサム アーキテクツを設立した時、CR-1は私たちの最初のオフィスチェアとなり、以降今日に至るまで私はこの椅子に座って仕事をしています。
小さく、軽く、簡易。私は"人間工学に基づいた座り心地の完璧なオフィスチェア"でゆったり寛いでいるボスよりも、忙しいハードワーカーであることを示したかったのです。

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