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トーク「現場からみる、デザインミュージアムの可能性」を開催

2014年1月11日、「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」関連プログラム「現場からみる、デザインミュージアムの可能性」を開催しました。
日本のデザインミュージアムの可能性を考える対話の場となった今回。鄭 國鉉(ソウルデザイン財団 DDP 総監督)、木田拓也(東京国立近代美術館 工芸課主任研究員)、坂本忠規(公益財団法人 竹中大工道具館 主任研究員)の3名が登壇し、モデレーターをアソシエイトディレクターの川上典李子が務めました。

はじめに各々の施設紹介が行われました。木田は「『デザイン』の受け皿の必要性」、「『名品主義』を乗り越えて」、「雑多な資料的なものを貪欲に」をキーワードに、日本の国立美術館のうち、唯一デザインをコレクションに設けている東京国立近代美術館の変遷と課題を語りました。

続いて坂本は「用を極めて美に至るという言葉があるように、大工道具自体にデザインがあるのではないか」、また「その道具がつくり出すものにデザインがある」と大工とデザインの関連性を述べ、企画展では宮大工の仕事や数寄屋を実際の建築物で展示している旨を語りました。

そして鄭は、一般庶民に近しいミュージアムとして、様々な産業をクロスオーバーさせる場としてのDDP(2014年3月21日にグランドオープン)像を語りました。美術館、企画展スペースの他に、研究者や新人デザイナーの発表と交流のスペースや、施設公園内にデザインをテーマとした市民参加型の市場を設けるなど多角的な施設となるようです。

そして今後の日本のデザインミュージアム像について、学生ボランティアや市民がより施設の内部に関わりを持つことの重要性が語られる一方で、日中韓の相互交流のあり方にも話は展開。日本の精神的・文化的価値に基づくデザインを紹介するだけでなく、政治的なしがらみを超えて国同士を結びつける場として、デザインミュージアムが必要ではないかとトークは締めくくられました。