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単位展Web連載「企業の単位」 Vol.3 株式会社マルニ木工

企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」は、多くの企業・団体との恊働により実現しました。ここでは、様々な分野で私たちの生活を支える「企業の単位」にまつわるエピソードを、本展会場写真とともにご紹介します。


「単位展」展示作品『デザインと単位:UNIT3、UNIT4』熊野 亘
Photo: 木奥恵三

株式会社マルニ木工 開発部 川上敏宏
MARUNI WOOD INDUSTRY INC. Development Department Toshihiro Kawakami

― 本展展示作品に生きているマルニの「単位」は何ですか

作品名「UNIT3」「UNIT4」が示すようにポイントとなる単位は「ユニット」です。わずかに傾斜した座板と脚の組合せを1つの単位=「ユニット」として、3本脚タイプは3つのユニットから、4本脚タイプは4つのユニットからそれぞれ構成されています。

― あなたのお仕事でよく使う単位を教えてください

私は木製家具の開発に携わっています。図面を扱うことが多いので「ミリメートル」をよく使います。テーブルの大きさや椅子の座面の高さなど、家具の使い勝手に最も大きく影響を及ぼす要素がサイズであり、細部の指定はミリ単位まで行いますので「ミリメートル」を使用しています。家具には様々な素材を使用しますが、その素材によって単位が異なります。木材であれば厚みは「インチ」で長さは「フィート」、クッション材のウレタンフォームは「リットル」、ファブリックは「反(たん)」、皮革は「デシ=平方デシメートル」と使用する単位は多岐にわたります。

― 「単位展」ご来場者へのメッセージをお願いします

今回の「単位展」ではデザイナー熊野亘さんの作品「UNIT3」「UNIT4」を技術協力という形で製作させていただきました。見た目以上に座り心地の良いスツールですので、実際に座っていただく事ができないのが残念ですが、この作品を通じて天然木の魅力や木材の可能性を少しでも感じとっていただければ幸いです。

株式会社マルニ木工 MARUNI WOOD INDUSTRY INC.
マルニ木工は「工芸の工業化」をモットーに、1928年の創業から85年以上木工家具をつくり続けてきました。近年では2005年から3年間、世界の著名なデザイナーとnextmaruniプロジェクトに取り組み、日本の家具を世界に発信。2008年にはデザイナーの深澤直人氏と共に、人間的な温かみがありながら精緻で清浄なイメージの家具を目指し、HIROSHIMAをはじめとするMARUNI COLLECTIONを発表。そして2011年にはジャスパー・モリソン氏も加わり、年々その世界観を広げています。デザイナーと技術者が真摯に向き合い、木の魅力を引き出すデザインと職人による精緻なモノづくりによって、100年経っても「世界の定番」として認められる木工家具をつくり続けています。