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2016年4月23日、「雑貨展」出展者がそれぞれの視点から「雑貨」を語るトークシリーズの第一弾、「雑貨展 出展者によるトーク1」を開催しました。誰もがどこかで見たことのあるようなアイテムを一堂に集めた作品、『愛のバッドデザイン』を出展しているプロダクトデザイナーの清水久和と、昭和30年代から続くパッケージコレクション、『キッチュな生活雑貨パッケージ』を出展する庶民文化研究家の町田 忍。バックグラウンドは異なれど「雑貨」に精通するふたりの目利きが、「雑貨」にまつわる熱い想いを語りました。
鉛筆削りの内側はどうなっているんだろう...?身の回りにある機械を分解し、中身を見ないと気が済まなかったと子ども時代を振り返る清水。手掛けたデザインについて「どれが本業で?」と尋ねられるほどに多様なその作品群も、自身の中で常に一貫していると話します。共通して根付いているというのが、鉛筆削りの内側を覗いたときの感動のような、いわば取るに足らない小さな記憶。デザインリサーチ活動『愛のバッドデザイン』も、そんな記憶の延長線上にあることを語りました。
自身のコレクションの原点が、幼少期に仲間と戦って勝ち取った「めんこ」にあると話す町田。『キッチュな生活雑貨パッケージ』も同様、子どもの頃に集めていた「めんこ」のように、展示している一点一点に強い想い入れがあることを語ります。初めてオレンジジュースを飲んだときのこと、東京オリンピック観戦に行ったときのこと、町田のコレクションも自身の記憶と深く結びつき、それぞれのモノに潜む歴史を知る楽しさ、モノをきっかけに広がる会話の面白さに加えて、「雑貨」を通じて生み出される一連の「ドラマ」こそに大きな魅力があることを強調しました。