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「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」Web連載
第8回 ジョルジュ・ルース

ジョルジュ・ルースは、絵画、建築、写真を融合し、人の錯視などを利用した、サイトスペシフィックな作品を発表してきました。本展では、21_21 DESIGN SIGHTの建築空間に合わせたインスタレーションを、その写真作品とともに展示しています。その制作風景の一部を、21_21 DESIGN SIGHTスタッフがレポートします。

カメラで捉えた特定の視点からつくり上げたイメージを、風景の中に実現させるジョルジュ・ルース。本展メインビジュアルで謳われている「重なる1°の奇跡」は、彼の作品が緻密な計算のもとに成り立っていることを示しています。

今回、ルースの作品の舞台となったのは、21_21 DESIGN SIGHT地下階に日光を取り込む中庭、サンクンコートに面した空間です。ルースは本展のために当初、着色した作品のイメージを描いていましたが、実際に21_21 DESIGN SIGHTの建築空間を体験し、白一色で構成することに決めました。

写真:木奥恵三

まずは白く塗られた角材を、組み立てていきます。規則正しく並べられた角材は、この時点ではまだどんな形になるのかわかりません。

写真:木奥恵三

カメラで状況を確認するルース。この地点から、細かく位置を決めて角材に印をつけていきます。その通りに角材の端を切り落としていくと、少しずつ作品の形が見えてきました。 彼は、自身の作品について、「光を書く」という意味の「Photographie」という言葉の通り、光と質感との関係、建築物への光の投射が重要であると言います。制作期間中、組み立てられていくオブジェの形とともに、刻一刻と変わる光の角度も観察し続けました。

© Georges Rousse

本展会期中、21_21 DESIGN SIGHTには、ジョルジュ・ルースの作品を通して新たな風景が立ち現れています。「重なる1°の奇跡」を体験しに、ぜひ足をお運びください。