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日本デザイン振興会プレゼンツ〈2日間連続トークシリーズ〉Vol.2
「日本人の生活の豊かさとデザイン」を開催

2014年1月19日、「日本のデザインミュージアム実現にむけて展」関連プログラム、日本デザイン振興会プレゼンツ〈2日間連続トークシリーズ〉Vol.2「日本人の生活の豊かさとデザイン」を開催しました。日本の文化性・地域性を踏まえ、長年デザインエクセレントな活動をしている企業より、金井政明(株式会社良品計画 代表取締役社長)、福光松太郎(株式会社福光屋 代表取締役社長)の2名が登壇し、モデレーターを本展企画の森山明子が務めました。

冒頭では、双方の登壇者に縁のあるデザイナー、田中一光との関わりについて紹介。
田中の存在は両者にとって大きく、福光は「自分の身の回りのものをいかに豊かにするかに、(田中は)身を注いでいた」と回想し、金井は「世の中の高級品と生活の豊かさは違うと、一光さんは無印良品の仕事を通して教えてくれた」と続きました。

そして、本展Web連載「私の一品」にちなんで、3名の選ぶ一品が会場内で披露されました。まず、森山が高橋睦郎著『金沢百句・加賀百景』を紹介。表紙に金沢の和菓子「福梅」が描かれているこの書籍は、田中一光が装幀を手がけたもの。続いて、福光は自社の日本酒「黒帯 悠々」を紹介。「水のようなお酒」という題目のもと、当時はなかった「美味しくて軽いお酒」という概念を捻り出し、発表以来金沢の割烹や料亭にテストを行ない、改良をしているそう。また、金井は「誰々がデザインした○○」と唱うように、デザイナーの名前でものが誘導されるスタンスでのものづくりは行なっていない旨を述べたのち、シェーカー系譜の木製のドーナッツの抜き型を紹介しました。

また「日本」というテーマに関して、「無印良品は無名性にこだわり、個性を取り払い、ものの本質を表していることが、海外から日本的であると評価されているのではないか」と金井は語り、福光は「海外のために味や姿を変えるのではなく、自身が良いと思ったものを打ち出す」と語りました。豊かさとは、日々の生活の本質に即しており、そこをいかに気持ち良くさせるかに、自らの仕事を通して尽力されている2名の話に会場は盛り上がりをみせました。