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「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」Web連載
第6回 ヌーメン/フォー・ユース

ヌーメン/フォー・ユースは、舞台芸術、インダストリアルデザイン、インスタレーションと、様々な分野で活動を展開するアーティスト集団です。本展では、21_21 DESIGN SIGHTの建築空間に呼応するよう、テープを使った新作インスタレーションを発表しました。会場を横切るように大きく伸びた半透明の立体作品は、どのように制作されたのでしょうか。ここでは、その制作風景の一部を写真とともにお伝えします。(写真:木奥恵三)

制作は、作品を支える大きな白い枠と、ギャラリーの天井や柱の間に粘着テープを張り巡らせるところから始まりました。2人以上で1組になってテープを手渡しながら、離れた拠点を繋ぐようにテープを往復させます。

作品の骨格ができると、その骨格に沿ってテープを幾重にも重ねていきます。初めは向こうが透けて見えた立体が、人の入れる空間を残しながらだんだん補強されていく様子は、昆虫の巣がつくられていく様子を連想させます。

本展のメインビジュアルで彼らを表現している「テープ21,120mの床」という言葉は、本展展示作品「テープ・トウキョウ02」の材料である粘着テープの総量*です。 制作現場の近くには、作品の材料であるテープが山積みにされています。1週間ほどの制作期間中、会場内にはテープの伸びる音が反響していました。
*実際に使用したテープの総量は約15,000m

本展では、実際に作品の中に入り、その空間を体験することができます。ぜひ会場でお楽しみください。

*本作品は、2名まで同時にご体験いただける作品です。体験をお待ちになる方が多い場合には、閉館時間までにご体験いただけない場合がございます。また、9月16日(土)以降の土日祝日は、整理券を配布いたします。詳細は、開催概要をご覧ください。

ヌーメン/フォー・ユース:
ヌーメン/フォー・ユースは、舞台芸術、インダストリアルデザイン、空間デザイン、コンセプチュアルアートの分野で活動しているアーティスト集団。1998年に、インダストリアルデザイナーのスヴェン・ヨンケ(Sven Jonke)、クリストフ・カツラー(Christoph Katzler)、二コラ・ラデルコヴィッチ(Nikola Radeljković)からなるコラボレーション・グループ「フォー・ユース」として最初に結成された。1999年、インダストリアルデザインの枠を超えたあらゆるプロジェクトを実現する集団アイデンティティとして、ヌーメンを結成。2004年以降は、マドリードの国立演劇センターにおける舞台「インフェルノ(Inferno)」のための大がかりなサイトスペシフィックプロジェクト制作を機に、ヌーメン/フォー・ユースは舞台芸術に本格的に取り組むようになる。その後、ヨーロッパ各地で舞台芸術の制作が続いている。2008年以降は、あらかじめ決まった機能を持たせずにオブジェクトやコンセプトを構成することに重点を置いている。その活動から、Numen-Lightシリーズ、Tape、Net、Tuft、String、Tubeなど、より異種混合的で実験的な作品が生まれている。