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「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」Web連載
第7回 西野 達
シンガポールのマーライオンやニューヨークのコロンブス像などを取り込んでホテルやリビングルームを建設し、公共空間にプライベート空間を出現させる西野 達。本展では、21_21 DESIGN SIGHTの建築の中に新作インスタレーション「カプセルホテル21」を制作しました。「実現不可能性99%」の制作風景を、写真とともにお伝えします。(写真:木奥恵三)
「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」のメインビジュアルで謳われている「実現不可能性99%」とは、西野 達がこれまでに発案してきた数々のアイデアの実現の難しさを表現した言葉です。そんな西野が今回挑戦したのは、21_21 DESIGN SIGHTに新しくオープンしたギャラリー3の中に、「六本木のど真ん中に突如として出現したアートホテル」を制作することでした。
下見のために会場を訪れたとき、等間隔に仕切られたギャラリーの窓を見て、その幅にあわせてベッドが並ぶカプセルホテルのアイデアが浮かんだという西野。ホテルに不可欠なベッドにはテレビ番組を観られる設備を整え、シャワー室も設置、さらにホテルの装飾のように自身の写真作品や新作彫刻も展示することとなりました。
会場設営は、西野が信頼する施工チームとともに進められました。まず単管や木材でフレームを組み立てると、発泡スチロールと発泡ウレタンで個室を仕切っていきます。
会場で作業をする西野。ホテルの中に展示する彫刻作品の制作も現場で行います。右の石膏像たちはコラージュされ、シャンデリアのように吊るされることとなりました。
「実現不可能性99%」から始まり、ついに実現した「カプセルホテル21」。建築家 安藤忠雄が設計した21_21 DESIGN SIGHTの建築の中から、ミッドタウン・ガーデンの緑をのぞむことのできる、異例の「カプセルホテル」です。
会場では、来場者が作品のベッドにも自由に出入りすることができます。ぜひ足をお運びください。