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2006年9月 (2)
2006年8月28日 ナチュラルローソン代々木公園西店
および財団法人 三宅一生デザイン文化財団にて収録
構成/カワイイファクトリー 撮影/五十風一晴
今回はナチュラルローソン代々木公園西店にご協力いただきました。お店の前にはガーデンチェアが並び、焼きたてのパンの香りがする新しいタイプのコンビニです。ローソンが5年前から東京都内と近畿圏で展開しているチェーンで、現在、約70店舗あるそうです。
http://natural.lawson.co.jp/
21_21 DESIGN SIGHT ディレクターによる放談、第2回をお届けします。今回は、いまやニッポンの日常に欠かせない存在となったコンビニエンス・ストア(以下コンビニ)に出かけ、買い物をして、生活のなかのデザインについて語り合いました。
- 佐藤
- (別の袋を取り上げて)せんべいでは、当たり前になっている小分け。一枚一枚別々になっています。
- 三宅
- これがいいんですよ。これがひとつの袋に入っていたとしたら、しまいにはぜんぶ食べちゃうもの。シケないしね。ひとつ食べたらこれでおしまいと、人間が人間をしつけるというかね。今日は1枚だけでおしまいにしようってね、思える。
- 佐藤
- もしかすると海外からは、日本のパッケージは過剰包装で資源を無駄にしているという意見が、短絡的には出ると思うんです。でも日本の食文化、日本人の繊細な神経など、パッケージには背景があるわけです。そう簡単には切り捨てられない"やさしさ"って、こういうパッケージのありかたにもあるんじゃないでしょうか。
- 三宅
- 過剰包装の問題は別として、パッケージが小分けされているというのはですね、日本の文化として古くからある、ものをほんとうに大切にするというところからきている。いまは大量消費の時代だからつい忘れがちだけれども、相手のために必要なことをやるというのは、日本らしい繊細さですね。
- 佐藤
- 最近の食品のパッケージは、和風化している傾向がありますね。筆文字などで商品名を表現していたりします。
- 三宅
- 和のものだからかもしれないけれど、親しみやすいというか。これは、蜂蜜ラベンダーのソープですか(石けんのパッケージを指さす)。
- 佐藤
- 新聞紙で包んでいるような雰囲気を出していて、この考え方はなかなか新鮮。
- 三宅
- どこから開ければいいのかな。
- 佐藤
- ここで開けるんじゃないかな。
- 三宅
- 開けるときに破るという感覚は感心しないんだけどな。(結局、破くしかないことがわかり)ちょっと、残念だな。
- 佐藤
- そうか、そうか。これは開けると中身がビニール袋に入っている。それは香りという難しい問題があるからですね。包装としては紙だけで成立しているんだけど、香りが出てしまうとほかの商品に影響が出てしまう。こういうことまでを、パッケージ・デザイナーは考えなければならないんですよね。