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単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい? (40)
台湾・台北の松山文創園區 五號倉庫で開催中の21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北「単位展 — あれくらい それくらい どれくらい?」に関連して、2016年8月20日、中村至男と鈴野浩一によるトークが開催されました。
本展では、2015年に21_21 DESIGN SIGHTで開催した「単位展」に引き続き、中村は展覧会グラフィックを、鈴野は会場構成監修を担当しました。
トークの前半は、二人がこれまでに手がけてきた仕事をそれぞれ写真や映像とともに紹介。その後、東京と台北の「単位展」について語りました。
まずは中村が、企業の社内デザイナーとして働いていた当時にデザインした自宅の引越しを知らせるポストカードに始まり、佐藤雅彦と協働したゲームソフトや「勝手に広告」シリーズ、近年出版された絵本まで様々な仕事を説明。
つづいて鈴野は、禿 真哉とともにトラフ建築設計事務所を設立するきっかけとなったホテル「クラスカ」の客室や、ひとつづきの空間が屋根の高低でゆるやかに区切られた住居、さらには「空気の器」や結婚指輪までを紹介しました。
二人の、自身の肩書きから想像される枠を超えた幅広い活動と、その根底に通じる独特の発想に、会場からは驚きの声があがりました。
トークの後半では、「単位展」におけるそれぞれの仕事を解説しました。途中、本展のメインビジュアル完成に至るまでに生まれた別のデザイン案も紹介するなど、企画秘話も。
鈴野は、展覧会の構成や展示作品が確定する前に完成した中村によるメインビジュアルが、会場構成や什器デザインのアイディアに繋がったといいます。企画チームのメンバーが、自身の担当を超えてつくりあげた本展ならではのエピソードが語られました。
21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北「単位展 — あれくらい それくらい どれくらい?」は、2015年の東京での「単位展」展示作品に、台湾の企業や作家による作品も加わり再構成されています。
9月16日までの会期中、より多くの人々が本展を訪れて新しいデザインの視点を持ち帰ってくれたら、という二人のメッセージで、トークは締めくくられました。
Photo courtesy of FuBon Art Foundation
2016年7月1日より、台北の松山文創園區 五號倉庫にて、21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北「単位展 — あれくらい それくらい どれくらい?」が開催中です。
旧たばこ工場を改装した会場では、21_21 DESIGN SIGHTで昨春開催した「単位展」を忠実に再現したほか、新たに台北で集めた品々で構成した「1から100のものさし」、台湾のデザイナーらが参加した「みんなのはかり」など、台北展独自の展示も。
会場入口には、21_21 DESIGN SIGHTのコンセプトやこれまでの活動を紹介するコーナーがあり、併設されたショップには、台北展にあわせて制作された新たなオリジナルグッズも加わり、連日多くのお客様で賑わっています。
会期は9月16日まで、会期中無休ですので、台北にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
Photo courtesy of INCEPTION CULTURAL & CREATIVE Co., Ltd.
21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北「単位展 — あれくらい それくらい どれくらい?」関連トークレポート
2016年6月29日、21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北「単位展 — あれくらい それくらい どれくらい?」の開催を前に、Taipei New Horizonにて、本展のショップ監修を手がけたmethodの山田 遊と企画進行を担当した21_21 DESIGN SIGHTの前村達也によるトークが開催されました。
はじめに前村が、これまでに担当した展覧会を例にあげながら、21_21 DESIGN SIGHTのリサーチを重視する独特の展覧会のつくり方を解説。続いて山田が、自身の率いるmethodの仕事を通して、コンセプトのある店づくりを紹介しました。
続いて二人は、日本と台湾の「単位展」の制作プロセスを説明。途中、訪台中の企画チームの寺山紀彦(studio note)、菅 俊一、稲本喜則(AXIS)が急遽登壇する場面もありました。500人を超える聴衆とともに、日台のデザインやものづくりについて意見交換する、活発な交流の場となりました。
Photo courtesy of FuBon Art Foundation
2015年に開催し、好評を博した21_21 DESIGN SIGHT企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」の台北での開催が決定しました。
2016年7月1日より、松山文創園區 五號倉庫で開催されます(主催:啟藝文創 INCEPTION CULTURAL & CREATIVE Co., Ltd.)。単位というフィルターを通して、私たちが普段何気なく過ごしている日常の見方を変え、新たな気づきと創造性をもたらした「単位展」が、台湾でどのような拡がりを見せるのか。ご期待ください。
21_21 DESIGN SIGHT企画展 in 台北
単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい? ―
- 会期:
- 2016年7月1日(金) - 9月16日(金) 会期中無休
- 開館時間:
- 10:00〜18:00 (入場は17:30まで)
- 会場:
- 松山文創園區 五號倉庫(台北市信義區光復南路133號)
Songshan Cultural and Creative Park Warehouse Five (No.133, Guangfu South Road, Xinyi District, Taipei City, Taiwan) - 入館料:
- 前売り 200NT$、一般 280NT$、学生 250NT$、65歳以上もしくは障害者手帳をお持ちの方140NT$、7歳以下 無料
- 主催:
- 啟藝文創 INCEPTION CULTURAL & CREATIVE Co., Ltd.
- 企画:
- 21_21 DESIGN SIGHT
台湾にて、Fubon Forumに参加しました
2016年1月27日、台湾のFuBon Art Foundation主催で台北市のTaipei New Horizonで行われたFubon Forumに、21_21 DESIGN SIGHTが参加しました。
当日は、200名を超える聴衆を前に、デザインディレクターのTomic Wu氏の司会のもと、21_21 DESIGN SIGHTよりコミュニケーション・ディレクターの高 美玲と、オペレーション・ディレクターの犬塚美咲が「Everything Can Be Design」をテーマに語りました。
はじめに高が、21_21 DESIGN SIGHTの設立のプロセスやコンセプトを説明。特徴的な展覧会として、第1回企画展「チョコレート」と、東日本大震災を受けて開催したふたつの展覧会「東北の底力、心と光。『衣』、三宅一生。」、「テマヒマ展〈東北の食と住〉」を紹介しました。
続いて犬塚が、三宅一生の企画と安藤忠雄の会場構成で実現した「U-Tsu-Wa/うつわ ― ルーシー・リィー、ジェニファー・リー、エルンスト・ガンペール」、はじめて展覧会ディレクターを置かずに開催した「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」を転機となった展覧会として紹介。21_21 DESIGN SIGHTの来場者や組織・運営についても解説しました。
最後に、会場との質疑応答では「展覧会の成功とは何か」「台湾やアジア諸国とのデザイン交流の可能性」など、活発な意見交換が行われました。参加者の半数以上が21_21 DESIGN SIGHTを訪れた経験があるなど、台湾におけるデザインや21_21 DESIGN SIGHTへの関心の高さに触れられる機会となりました。
閉館時間を少しまわった会議室。そこでは、展覧会コミュニケーターによる自主企画、ギャラリーツアーに向けたミーティングが着々と進んでいた。単位展開催を控えた2月の始めにインターンとして採用された10名のコミュニケーター。4ヶ月間の軌跡が生んだ新たな可能性を紹介する。
「お客様により楽しんでもらえるように、疑問に答えたり、作品の見方についてアドバイスをしたりしています。」(山縣青矢)腕章に書かれた肩書き "説明員" として文字通り会場に身を置き、来場者との対話を通じて展覧会や作品に興味を持ってもらう手助けをするのがコミュニケーターの仕事。日々の活動を報告書にまとめ、そこで得られた "気付き" を共有していくうちに「他にも自分たちに出来ることがあるのではないか?」と疑問を抱くようになったという。
「『単位展』を訪れたお客様に、展覧会を楽しむことに加えて "何か" を持って帰ってもらいたい。」(岸 紗英子)という強い想い...。お客様の声をもっと知りたいからアンケートを用意しよう。作品への気付きを持って帰れるように小冊子を配ろう。面白さをもっと伝えられるようにギャラリーツアーを実施しよう。メンバー10人で知恵を絞り合った4ヶ月、独自に制作したアンケートと小冊子を添えた集大成『展覧会コミュニケーターによるギャラリーツアー』が実施された。
「展覧会ディレクターや作家の皆さんとお話しする機会にも恵まれて、それぞれの『単位展』に向けた個人的な想いを聞くことができたんです。しかし、展覧会に訪れて展示作品を鑑賞するだけでは、そこに込められた想いの全ては伝わらないと思って...。」(得能慎司)「作品は喋ることが出来ないので、展示作品とお客さんの間に入って両方をつなげるのがコミュニケーターの役割です。」(岸) 作品に込められた想いを伝え、作品と来場者・作家と来場者をつなぐ。彼らの活躍は肩書きである "説明員" に留まらず、原義通り展覧会の裏側と来場者をつなぐ "伝達者" にあると言えるだろう。
しかし、コミュニケーターがつなぐものはそれだけではない。館内を眺めるとそこには、コミュニケーターの存在を通じて生まれた来場者同士のつながりも見られるように感じられる。長い会期の間、偶然同じ日、同じ時間に『単位展』を訪れた来場者同士が、同じ作品の前で話をしている。『単位展』を通じて、21_21 DESIGN SIGHTを通じて、デザインを通じて生まれる "つながり"、この "つながり" こそがコミュニケーターの可能性であるように考えられた。
構成・文:角田かるあ(21_21 DESIGN SIGHTインターン)
2015年5月29日、「単位展」作品の「無印良品の単位」制作チームより、良品計画生活雑貨部企画デザイン室 室長の矢野直子と建築家の佐野文彦、無印良品のアドバイザリーボードで21_21 DESIGN SIGHTディレクターの深澤直人を迎え、「深澤直人と無印良品と佐野文彦のギャラリートーク」を開催しました。
冒頭にて、深澤は「当初単位展というテーマを聞き、確固たる単位をイメージするも、自分なりの単位があるのではないかと思った」と語り、本展企画進行の前村達也が、深澤の共著『デザインの生態学』にて述べられている、ものや道具に対して身体があらかじめ反応してしまう感覚を、日常の暮らしにおける単位に置き換えるようにリサーチを行なったと続きました。
尺貫法から導き出され、無印良品の基準寸法を決めるきかっけとなり、現在の無印良品のモジュールの基礎となっている「ユニットシェルフ」を用い、居住空間をつくり上げた「無印良品の単位」。これ見よがしに何かをつくるのではなく、生活における必然性のなかでものをつくり出す無印良品のスタンスと、建築家 佐野文彦の生活に根付いた単位が、ひとつの作品として結びつくプロセスが語られました。
そして日本の生活における単位として、佐野が自ら経験した数寄屋大工のフィジカルな単位感に触れると、矢野は余白があることで生まれる豊かな空間づくりを挙げ、深澤は「決まっているモジュールで隙き間を埋めるのではなく、周辺環境をどうするかで、空間の豊かさが生まれる」と続きました。単位は、揃えてしまおうというところに価値があるのではなく、ゆるやかに人間をつなぐところに真価があるのではないかと、トークは示唆に富んだ内容となりました。
2015年5月5日、「単位展」関連イベント「1 Meter Party」を開催しました。
こどもの日であるこの日、本展展示作品「1 Meter Party」の作家 ヘルムート・スミッツが来日し、身長1メートルの子どもたちを迎えてパーティーを開きました。
子どもたちは、この日のために特別に設置された1 Meter Gateを通り抜けてパーティーへ入場します。
当日は晴天に恵まれ、21_21 DESIGN SIGHTの中庭に出てブロックを1メートルまで積み上げたり、本展参加作家の熊野 亘と一緒に1メートルの風船で遊んだりしました。
Photo: Gottingham
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」は、多くの企業・団体との恊働により実現しました。ここでは、様々な分野で私たちの生活を支える「企業の単位」にまつわるエピソードを、本展会場写真とともにご紹介します。
株式会社マルニ木工 開発部 川上敏宏
MARUNI WOOD INDUSTRY INC. Development Department Toshihiro Kawakami
― 本展展示作品に生きているマルニの「単位」は何ですか
作品名「UNIT3」「UNIT4」が示すようにポイントとなる単位は「ユニット」です。わずかに傾斜した座板と脚の組合せを1つの単位=「ユニット」として、3本脚タイプは3つのユニットから、4本脚タイプは4つのユニットからそれぞれ構成されています。
― あなたのお仕事でよく使う単位を教えてください
私は木製家具の開発に携わっています。図面を扱うことが多いので「ミリメートル」をよく使います。テーブルの大きさや椅子の座面の高さなど、家具の使い勝手に最も大きく影響を及ぼす要素がサイズであり、細部の指定はミリ単位まで行いますので「ミリメートル」を使用しています。家具には様々な素材を使用しますが、その素材によって単位が異なります。木材であれば厚みは「インチ」で長さは「フィート」、クッション材のウレタンフォームは「リットル」、ファブリックは「反(たん)」、皮革は「デシ=平方デシメートル」と使用する単位は多岐にわたります。
― 「単位展」ご来場者へのメッセージをお願いします
今回の「単位展」ではデザイナー熊野亘さんの作品「UNIT3」「UNIT4」を技術協力という形で製作させていただきました。見た目以上に座り心地の良いスツールですので、実際に座っていただく事ができないのが残念ですが、この作品を通じて天然木の魅力や木材の可能性を少しでも感じとっていただければ幸いです。
開催中の企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」展示作品より、「Giraffe's Eye」の参加作家の一人、岡田憲一(LENS)による映像が、東京ミッドタウン内にて期間限定で放映されています。ぜひご覧ください。
開催中の企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」展示作品より、「1秒の世界」の参加作家の一人、岡崎智弘による映像が、東京ミッドタウン内にて期間限定で放映されています。
展覧会期中には、他の参加作家による予告映像の放映も予定しています。ぜひご覧ください。
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」は、多くの企業・団体との恊働により実現しました。ここでは、様々な分野で私たちの生活を支える「企業の単位」にまつわるエピソードを、本展会場写真とともにご紹介します。
株式会社 竹尾 植村行人
TAKEO Co., Ltd. Yukito Uemura
― 本展展示作品に生きている竹尾の「単位」は何ですか
A判、B判
mm(ミリメートル)
― あなたのお仕事でよく使う単位を教えてください
重さ : g/㎡(グラム平米)、kg(キログラム)、t(トン)
厚さ : μ(ミクロン)
大きさ : 四六判(しろくばん)、菊判(きくばん)、A列、B列、mm(ミリメートル)
包み : 丁(ちょう)
数 : 連(れん)、枚(まい)
流通 : パレット
― 竹尾らしさにつながる「単位」があれば教えてください
紙の重さを表す方法は「坪量」と「連量」の二種類あります。
坪量とは1㎡当たりの重量のことです。「g/㎡」で表示します。
連量とは1連(=1,000枚)の紙の重量のことをいい、単位はkgです。
紙のサイズと合わせて表示され、たとえば「四六判100kg」という表示は、四六判(1091mm×788mm)サイズの紙、1,000枚を積み上げた重さを計ると100kgある、ということです。
坪量、連量は紙の厚みを示す目安として使用されます。
― 竹尾の中にある、「単位」によって生まれる景色を教えてください
「枚、丁、連」
「枚」
一般的な紙の枚数の単位
「丁」
銘柄により、1梱包の枚数が100枚、250枚と決まっており、その1包みあたりの単位。
「連」
全紙1,000枚あたりの単位
― 「単位展」ご来場者へのメッセージをお願いします
A4サイズ、B5サイズなど、普段よく触れる紙の大きさ。そのA列とB列の大きさの違いや、A1の半分がA2、A2の半分がA3、A3の半分がA4と、知っていても、今回のような形として見られる事はありません。
また、会場の「A判とB判」では、A1~A7、B1~B7の各サイズそれぞれ1,000枚ずつ、合計で7,000枚が一つの山に積まれています。1枚では薄い紙も、積まれることで重い塊になります。でも7,000枚あってもこの程度の高さ...
様々な紙の単位、また、岡本 健さんが選んでくれたきれいな色を通して、紙を楽しんでください。
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」は、多くの企業・団体との恊働により実現しました。ここでは、様々な分野で私たちの生活を支える「企業の単位」にまつわるエピソードを、本展会場写真とともにご紹介します。
株式会社 良品計画 小山裕介、岡本和士
Ryohin Keikaku Co., Ltd. Yusuke Koyama, Kazuaki Okamoto
― 本展展示作品に生きている無印良品の「単位」は何ですか
無印良品の商品において追究しているテーマのひとつに「モジュール」があります。
本展示では、そのモジュールを単位として表現しようと考え、無印良品が持つモジュールの中心であるユニットシェルフと、シェルフに収まるように設計された商品群を使って無印良品の単位を表現しました。
― あなたのお仕事でよく使う単位を教えてください
製造小売業にとって大切な単位として「SKU」という単位があります。※SKU...最小管理単位 (Stock Keeping Unit) の略。
商品で良く使われる言葉としてシリーズという単語がありますが、シリーズは一つでも、カラーやバリエーション展開が10個あれば10SKUとなります。SKUが多ければ多い程、お客様は悩み、何が本当に欲しいのか分からなくなり、製造する側も在庫が余分に増え、無駄な商品が多く生まれる可能性があります。
無印良品において、SKUは極力少なく開発しようという想いがあります。
それは、余分な要素を極力減らす事で、なるべく省資源、省エネルギー、これでいいと思える最適な商品づくりに繋がると考えているからです。
― 無印良品らしさにつながる「単位」があれば教えてください
無印良品では日本の住宅に使われている「尺貫法」を元に、基本となる寸法を定め、大型家具から小物の収納用品に至るまで当てはめて設計しています。
その結果、無印良品の収納は無理なくきれいに収まり生活空間に溶け込みます。
― 無印良品の中にある、「単位」によって生まれる景色を教えてください
無印良品の収納箱には、木、布、紙、樹脂、竹など様々な素材のものがありますが、全て共通の基準寸法で出来ているので素材の違うアイテム同士でも自由自在に組み合わせることができ、きれいに収めることができます。
― 「単位展」ご来場者へのメッセージをお願いします
無印良品が建築家・佐野文彦さんの感性に触れ、これまでの無印良品にはなかったひとつの表現の作品となっております。収納と生活空間が一体化した壁のない空間は、日本建築の伝統的な考え方に対する無印良品としての変わらない尊敬の念と、これからの生活空間への提案を表現しています。
様々な角度から、鳥の目、虫の目でご覧いただき何かを感じ取っていただけたら幸いです。
開催中の企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」展示作品より、「速さの比較:マッハ1ってどれくらい?」の構成を担当した菅 俊一による映像が、東京ミッドタウン内にて期間限定で放映されています。
展覧会期中には、他の参加作家による予告映像の放映も予定しています。ぜひご覧ください。
2015年5月9日、「単位展」参加作家であり、アートディレクターの岡崎智弘と、一般社団法人Think the Earthの上田壮一によるトーク「1秒の世界」を開催しました。
本展企画進行の前村達也が、展覧会のリサーチ初期、1秒間に起こる世界の事象がつづられた書籍『1秒の世界』と出会い、遊びの要素を取り入れながらも社会的なテーマに基づいたコンテンツを展示したいと考えたことから、著者の上田にコンタクトし、また、岡崎に参加を呼びかけた経緯を語りました。
「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに、地球の大切さを世界に繋げる活動を行なっている上田が属するNPO、Think the Earthと、NHK エデュケーショナルのテレビ番組「デザインあ」の「解散!」で知られる岡崎。両者の活動に触れたのち、岡崎の作風であるコマ撮り映像の緻密さが1秒の世界に組み込まれてゆくプロセスが語られました。
書籍『1秒の世界』における環境、経済、社会の大きな変化量に驚いたという岡崎は、1秒間に15コマの映像を作成。その中に時折日常の動きとは違う要素を途中で足していったというプロセスは、「1秒というものをセンシティブに見ることに繋がった」と述べました。
最後には、二人がお互いの質問に応え合う形式となり、各々の「1秒の世界」に対する想いや、気持ちの切り替えの瞬間を秒数で判断することの難しさ、見えない時間の話などとトークは弾みました。
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「お金の価値とは?」 柳本浩市
ハイパー・インフレになると、パン1個を買うのに何兆円もかかるということが起こります。もはやお金はコピー用紙よりも安くなり、無価値化します。そんな驚異的な桁の紙幣からお金と価値について考えさせられます。
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「二つの円筒」 ジャスパー・モリソン
イギリスの小さな南町で、黒檀かローズウッドのこの二つの円筒状のものを見つけた。ショップスタッフに何かと聞いたがわからなかった。しかしそこにいた 2 人のお客はそれが何だか知っているようだった。一人は、平行の線を引くためのものだと。そして、もう一人は、これは非常に馬鹿げたアイデアだが、家か船をつくる際に、並んだ梁の間の距離を測るためのものだと。それはたった 15 と 18 インチの長さでしかない。
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「色物 SHIKIBUTSU」 皆川 明
日々色を決める際に、明度や彩度、色相という色の要素ではなく、
人間の感情や物の有り様を色に置き換えている。
動物が千差万別であるように、色もおのおのの性格を持ち、
感情的である
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「私のはかりは体。」 高山なおみ
味をみておいしいと感じたら、それが料理の作り方。
道具にたよらず体ではかるレシピの言葉を、自著の中から集めてみました。
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「スタイリングと積載量」 作原文子
インテリアスタイリストの仕事の一部は、日々、引っ越しのような作業です。小物から家具に至るまで、沢山のお店から商品をお借りし、撮影をします。多くのプロダクトを扱うにもかかわらず、私の場合、そのスタイリングプランは常に自分の頭の中。私にとって計る作業は、経験と感覚の中にあるのです。
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「ヒューマンスケールの計り」 クライン ダイサム アーキテクツ
私達は無意識に自分のいる空間を計っている。建築家として空間をデザインする際、身近なオフィスで寸法を感じ、大きさを再確認する。クライアントには、彼らが馴染みのある身の回りの物を使いながらスケールを感じてもらう。
展示模型では、オフィスのサイズを以下のものと比較している。
- アルテックの椅子
- オフィスデスク
- 畳
- ミニカー
- ラッシュ時の山手線車両
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」開始前の2014年11月より、多摩美術大学環境デザイン学科の実技課題として、「単位展」の会場構成をインテリアコースの学生30名が考えました。学生たちは、本展会場構成の監修を担当したトラフ建築設計事務所の鈴野浩一と、TONERICO:INC.代表でデザイナーの米谷ひろしの指導のもと、各々の考える「単位展」の空間を提案しました。
21_21 DESIGN SIGHTの休館日を使った中間発表などを経て、2015年1月には、展覧会企画チームが多摩美術大学を訪れ、成果の最終発表となる講評会が開かれました。
この度、講評会で選出された5作品が、多摩美術大学 八王子キャンパスで展示されます。30分の1模型やCGイメージを通して、コンセプトの構築から最終的な展示空間の落とし込みまでそれぞれ違う、個性ある5つの「単位展」をお楽しみください。
日時:2015年4月21日(火)- 25日(土)9:00〜20:30(最終日は15:00まで)
場所:多摩美術大学 八王子キャンパス デザイン棟1階ギャラリー
また、多摩美術大学環境デザイン学科では、学生たちが課題に取り組む様子をブログに記録しています。ぜひご覧ください。
>>多摩美術大学環境デザイン学科によるブログ
「多摩美術大学環境デザイン学科 × 単位展」
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「漱石文学全集 別巻『漱石研究年表』(荒 正人著・集英社)」 木内 昇
漱石は言文一致の草創期に登場し、金字塔とも言える仕事を残しています。憧れの人の歩みを見詰め、今の自分を計る。異なる時代に生きた人と対話できるのが、年譜という単位の最大の魅力かもしれません。
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
現在開催中の企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に関連して、本展覧会グラフィック 中村至男と本展会場構成監修 鈴野浩一の対談が、『MdN』5月号に掲載されました。
http://www.mdn.co.jp/di/MdN/?asid=3381
現在開催中の企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」が、イタリアのウェブサイトdomusに紹介されました。
http://www.domusweb.it/en/design/2015/03/02/measuring_this_much_that_much_how_much_.html
「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、展覧会にあわせて会場1階スペースを、単位にまつわるショップとして無料開放しています。
株式会社ナカダイによる、廃棄物を素材として捉えた他に類をみない量り売り「ナカダイ マテリアルライブラリー」ほか、「単位てぬぐい」や「単位展 オリジナルポストカード」などの展覧会オリジナルグッズ、展覧会チームの関連商品も多数取り揃えています。
ショップ監修 山田 遊(method)
「まず、デザイナーやアーティストではなく、バイヤーという立場から、今回、21_21 DESIGN SIGHTの企画展に、コンセプトショップの監修という形で関わらせて頂いたことを、素直に嬉しく、そして光栄に思っています。
今回、これ程の規模で物販を行うのは、21_21 DESIGN SIGHTとしても初の試みです。だからこそ、単にお土産を購入する場所というだけでなく、展覧会の内容にしっかりと寄り添いながら単位にまつわる展覧会オリジナルグッズはもちろん、展覧会企画チームや参加作家による展示作品の一部、そして関連商品の取り扱いも充実させています。 また、量り売りや切り売りの仕組みをショップ内に導入することで、グラム(g)やメートル(m)、円(¥)といった、単位を体感することができるショップとなっています。 展覧会で、身の回りにある様々な単位の面白さに触れていただいた後、その余韻を、このショップから家へと持ち帰って頂けたら、大変嬉しく思います。」
企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」では、「みんなのはかり」と題し、各界で活躍する8名の方に、「単位」「はかり」をテーマに思い入れのあるものをご出展いただきました。ここでは、それぞれの「はかり」に込められた思いやエピソードを、会場写真とともに紹介します。
「8ugust」 葛西 薫
なかなか英語の月名が覚えられず困っていたが、あるとき妙案が浮かんだ。頭文字を数字に置き換えるのだ。そうしたら、その字面が記憶に残り、以来、12ヶ月、すべての月名がスラスラと言えるようになった。(なかでも、字面として、8ugustはとても美しいと思った)
「みんなのはかり」参加作家
- 葛西 薫
- 木内 昇
- クライン ダイサム アーキテクツ
- 作原文子
- 高山なおみ
- 皆川 明
- Jasper Morrison
- 柳本浩市
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
2015年4月4日、単位展コンセプトショップ「Measuring Shop」を監修した山田 遊(method)と、同ショップに出店している株式会社ナカダイが講師を務め、ワークショップ「モノの解体から誕生まで」を開催しました。
まず、ゲストとして登場した工藤洋志(ritardan-do K.K.)と工藤 遥が、自身の作品を紹介しました。
一人一台ずつ用意されたノートパソコンを、株式会社ナカダイのスタッフの指導のもと、解体していきます。細かなパーツまで一つ一つ外していく人、外れそうなところを探してあちこち引っ張ってみる人など様々ですが、それぞれ集中して自分のパソコンに向かっていました。
最後には、解体したパソコンのパーツを使って、思い思いの作品を製作。
普段見ることのないパソコンの中身を自分の目で確かめ、廃棄物から新しいものを誕生させることで、その成り立ちを体験するワークショップとなりました。
2015年3月28日、ワークショップ「自分の身体でマイ単位をつくろう」を開催しました。
展覧会企画チームの一員で本展コンセプトリサーチを担当した菅 俊一が講師となった本プログラム。冒頭では、菅が「水や空気、音といった見えないものを測ったり比べたりすることができる」「見えないものを見るための道具」としての「単位」を説明。その後、菅が作成したシートを元に、参加者はまず自らの親指を使って、ワークショップ会場に置かれた日用品、輪ゴムやクリップなどを測りました。
次に、親指で測ったものを、手を使って測り直し、より大きな脚立や机へと対象を拡張。さらにサンクンコートに出て、身体を回転させてその外周も測りました。
手、体のまわりが親指いくつ分かを測ることによって単位の変換ができることに気づき、単位は1つの視点でものを見る道具であることを体感できるワークショップとなりました。
2015年2月28日、展覧会チームによるオープニングイベント「あれくらい それくらい どれくらい?」を開催しました。
展覧会チームから9名が集ったイベント冒頭では、まず企画進行の前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)がチームメンバーを紹介。展覧会グラフィックの中村至男、会場構成監修の鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)、テキストの稲本喜則(AXIS)、会場グラフィックの岡本 健、コンセプトリサーチの菅 俊一、展示構成の寺山紀彦(studio note)、学術協力の星田直彦、会場構成協力の五十嵐瑠衣と続きました。
その後ギャラリーツアーへと移り、「単位展」を知識として体感してもらうべく、ギャラリー内ではチームメンバーそれぞれが構成を手がけた作品を紹介しつつ、星田がその作品にまつわる単位の背景を語りました。また、出展作品が定まりきる前での中村によるメインビジュアル決定と、鈴野による規格に基づいた会場構成にも触れました。
各々がそれぞれの視点で、展覧会リサーチ、会場構成、展示企画などのことを、ギャラリーツアー形式で語ったこのイベントは、「単位展」誕生の背景をより知ることのできる内容となりました。
また、イベントに合わせて、展覧会リサーチ段階の資料や記録写真を展示しました。この資料は期間限定で館内に置かれ、手にとってご覧いただくことができます。
いよいよ明日開幕となる「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」。
会場の様子を、いちはやくお届けします。
単位で遊ぶと世界は楽しくなる。単位を知るとデザインはもっと面白くなる。
単位というフィルターを通して、私たちが普段何気なく過ごしている日常の見方を変え、新たな気づきと創造性をもたらす展覧会です。
また、会場1階スペースを、単位にまつわるショップとして無料開放します。展覧会とあわせて、ぜひお楽しみください。
写真:木奥恵三
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「歩幅を使って横断歩道の長さを測る」
展覧会チーム10人分の歩幅は7.57 m。横断歩道の中央分離帯まであと一息。
「日本の尺貫法には、2歩分の歩幅に由来する『歩(ぶ)』という長さの単位があります。1歩(ぶ)の長さはおよそ1.8 mです。横断歩道の白・黒の帯の幅は一般的に45cmですから、それを数えて長さを測ることもできます。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー
前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)/企画進行
― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。
アロワナの大きさは水槽のサイズによって変わります。小学生のときに、水槽の大きさ分だけ成長するアロワナをみて、大きな水槽に憧れていました。アロワナの成長の仕方から、纏足や、西洋の大きな家には大きな家具、日本の小さい家には多機能の家具といったものを連想していました。
― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。
一つ一つのモノゴトができた経緯を単位を通して読み解くと、そのモノゴトの隣で起こっていることとの繋がりやその理由が垣間見られるようになりました。単位は一見して関係ないモノゴトを繋ぐ糸のようです。
― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。
イメージを共有するための道具として、そこかしこで単位という言語を使って、色んな人と世界を広げていってください。
>>「10人でできること Vol.1/展覧会企画チーム インタビュー 中村至男」
>>「10人でできること Vol.2/展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)」
>>「10人でできること Vol.3/展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)」
>>「10人でできること Vol.4/展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健」
>>「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
>>「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「電話ボックスに入る」
電話ボックスに入ることができたのは、10人のうち6人まででした。
「この電話ボックスは、75cm×90cm×200cmです。ここに6人も入れたとは驚きです。ただ、この状態で電話番号をプッシュするのは大変だと思います。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)/展示構成
― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。
0の次は1だと思っていたので小数点が出て来た時に混乱しました。ですので頭の中で紙10枚で1として、0.1は紙1枚にして理解しようとしていました。
その内に0.01 0.001とどんどん紙が薄くなって行くのと同時に0と1の間ってものすごい量の数字があるんだと感じたことを思えています。
― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。
単位はどこにでも潜んでいるんだなと感じたのと同時に、単位のない世の中があったらどんな感じなのか想像しています。
― 「10人でできること」を体験してみて、いかがでしたか。
10人用傘や10人用服など、10人用の色々なものがあったら面白いなと思いました。
― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。
重さでも速度でも長さでも周りに面白い発見がいっぱいあるのでそれを見つけてもらえると嬉しいです。
>>「10人でできること Vol.1/展覧会企画チーム インタビュー 中村至男」
>>「10人でできること Vol.2/展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)」
>>「10人でできること Vol.3/展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)」
>>「10人でできること Vol.4/展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健」
>>「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
>>「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「指を使ってマンホールを測る」
展覧会チーム10人の指でマンホールの円周を測ると、1周まであと少し。
「親指と人差し指を直角に広げたときの両指先を結んだ長さを『咫(あた)』といいます。一般的に1咫は、その人の身長の10分の1程度の長さです。
ただし、写真では指を直角以上に広げていますので、これは『咫』ではありません。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一/コンセプトリサーチ
― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。
幼稚園の頃に、家にあった薄い木の板を使ってドミノ遊びをするのが好きでした。「ここを曲がるには4枚だけど、あそこを曲がるには8枚必要」とか考えながら、限られた枚数の板をやり繰りしていたことが、単位の概念を使っていた一番古い記憶のように思います。
― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。
得体の知れないものを、理解可能なもの・具体的なものにするというのが科学やデザインが社会にもたらしている機能の1つだと思うのですが、単位は、特にそういう「見えないものを扱う」ために重要な人間の生み出した知の道具だと思うようになりました。
― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。
「単位」という考え方で私たちの身の回りを改めて見てみると、多くの人たちの想いや工夫が積み重ねられた結果、今の生活や社会が作られているということがとてもよく分かります。「単位展」を観た後、みなさんの目が単位モードになって、普段と違った見え方ができるようになっていたら、幸いです。
>>「10人でできること Vol.1/展覧会企画チーム インタビュー 中村至男」
>>「10人でできること Vol.2/展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)」
>>「10人でできること Vol.3/展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)」
>>「10人でできること Vol.4/展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健」
>>「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
>>「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「肘下を使って公園の休憩所を測る」
公園の休憩所の柱から柱までは展覧会チームの肘下9人分、約7.8 mでした。
「現在ではほとんど使われていませんが『肘から中指の先までの長さ』に由来する『キュービット』という単位があります。1キュービットは、およそ43~53cmです。写真では休憩所の対角線の長さは、18キュービットのようです。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健/会場グラフィック
― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。
早生まれも相まって(というのは言い訳ですが)、身体が小さく運動も得意ではなかったので、身体測定やスポーツテストなどがあまり好きになれず、単位で比較されることに疑問を感じていました。
― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。
少し単位を意識して散歩をすると、目がくらむほどに街が単位で溢れていることに気づかされました。と同時に、意識しないと気づかないほどに、単位が身の回りに根付いているということにも驚きました。
小さな頃はあまり好きになれない単位でしたが、単位が生まれ定着していく途方もないトライアンドエラーの過程に思いを馳せたり、単位があったからこそ生まれた価値などに触れることで、単位ひとつひとつが愛着の沸く存在になりました。
― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。
物事を"知る"ことへの意欲から生まれた、たくさんの"工夫"が、単位の中に詰まっています。
「単位展」を通して、たくさんの"工夫"を身体で感じとって、新たな"知る"ことへの興味を持ってもらえたら嬉しいです。
>>「10人でできること Vol.1/展覧会企画チーム インタビュー 中村至男」
>>「10人でできること Vol.2/展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)」
>>「10人でできること Vol.3/展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)」
>>「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
>>「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
>>「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「切株に乗る」
公園にあった大きな切株の円周は3.66 m。10人で固まって乗りました。
「写真の切株上面の面積はおよそ1m2。ここに10人が乗っているわけですから、一人分の面積が約1000cm2。これは、1辺の長さが31cmくらいの正方形の面積です。簡単にいうと、ここに10人乗るのは辛いです。この体勢は長続きはしませんでした。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)/テキスト
― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。
幼稚園の頃だったか、時計の短針、長針、秒針の読み方を教わったときはちょっと大人になった気持ちがしましたねー(幼稚園児だけど)。
― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。
生活と単位の関わりを調べ始めると、物流革命、情報革命から、ウサイン・ボルトの胸板の問題、果てはウチのおふくろが50年前に持ってきた嫁入り道具の桐ダンスの寸法の問題まで出てきて、驚いています。
― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。
単位展を見終わって家に帰ってから、目を閉じて「単位、単位、単位」と3回唱え、目を開けてください。身の回りのものにいかに巧妙に単位が使われているか、気がつくと思います。
>>「10人でできること Vol.1/展覧会企画チーム インタビュー 中村至男」
>>「10人でできること Vol.2/展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)」
>>「10人でできること Vol.4/展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健」
>>「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
>>「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
>>「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「1つのベンチに座る」
3〜4人掛けのベンチ(幅1.9m)には、2列になって、なんとか10人で座ることができました。
「既製品の椅子の場合、座面の高さは38~42㎝くらい。また、最近の鉄道車両のロングシートの場合、一人分の座席の幅は45~48cmというところです。写真の10人には笑顔が見られますが、実際にはかなり窮屈でした。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)/会場構成監修
― 仕事をするようになってから考える単位には、どんなものがありますか。
常にメジャーをもってて測ってます。mm の単位でよく表記します。
住宅などで㎡で表記しても一般の人はよくわからないので、何畳(なんじょう)を略して、㎡の次にかっこして12.5Jとか書いたりもしてます。
あと海外でレクチャーするときなど、50mとか単位をつけて説明したりするのですが、アメリカだと全然通用しなく、尺貫法から国際単位にあわせて、50m走や水泳などもあるのに分からないんだなーと不思議に思いました。
と、単位って面白く、単位をつかって遊べる自由を感じました。
― 「単位展」に来場された方へ、メッセージをお願いします。
単位って厳密で、難しいイメージもありましたが、「単位展」にかかわるようになってから、年齢でなく、身長が1mになったらお祝いしようなど、単位を使って遊んでる作品をみると、単位って面白く、単位をつかって遊べる自由を感じました。
単位を使って応用して遊んだり、基礎単位を頭でなく身体で実感してほしいです。
>>「10人でできること Vol.1/展覧会企画チーム インタビュー 中村至男」
>>「10人でできること Vol.3/展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)」
>>「10人でできること Vol.4/展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健」
>>「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
>>「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
>>「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
10人でできること:「手を繋いで輪になる」
10人で手を繋いで輪になると、直径は約4.5m。相撲の土俵と同じくらいになります。
「人が両手を広げたときの長さに由来する『尋』という単位があります。一般的に『尋』は、その人の身長と同じくらいになります。」
(「単位展」学術協力 星田直彦)
展覧会企画チーム インタビュー 中村至男/展覧会グラフィック
― 小さい頃の単位の記憶を聞かせてください。
せいぜい30cm定規の範囲内だったと思います。
― 仕事をするようになってから考える単位には、どんなものがありますか。
デザイナーの仕事をはじめてからは、身のまわりの色を印刷でいうインク4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の掛け合わせ(%)で大体置きかえられるようになりました。
― 「単位展」に関わって、単位についてのイメージは変わりましたか。
あらためて世界を見渡すと、人間は何世紀もの間、あれやこれやと測ったり区切ったり、計算したりと、そんな作業を延々と続けて世界を単位で定義づけてきたのだとおどろかされます。
そんな異常なまでの知への欲求は、人間にとってとても本能的なものと思えました
>>「10人でできること Vol.2/展覧会企画チーム インタビュー 鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)」
>>「10人でできること Vol.3/展覧会企画チーム インタビュー 稲本喜則(AXIS)」
>>「10人でできること Vol.4/展覧会企画チーム インタビュー 岡本 健」
>>「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
>>「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
>>「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」
2014年11月、企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」に向けて、展覧会チームの中心メンバー10人が集い、様々な「10人でできること」を試みました。その様子を、展覧会企画チームの単位にまつわるエピソードとあわせて紹介します。
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- 「10人でできること Vol.5/展覧会企画チーム インタビュー 菅 俊一」
- 「10人でできること Vol.6/展覧会企画チーム インタビュー 寺山紀彦(studio note)」
- 「10人でできること Vol.7/展覧会企画チーム インタビュー 前村達也(21_21 DESIGN SIGHT)」